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積層ピッチが細かい方が、積層跡が目立ちにくくなり、より精微な仕上がりが可能となります。しかし積層ピッチが細かければ高性能という話でもなく、ヘッドの位置決め精度が低ければ、造形物の精度も低くなってしまうということを知っておきましょう。業務用3Dプリンターを選ぶ際には、各マシンのスペックを比べると同時に、サンプルの仕上がりもチェックすることが大事です。
こちらでは精度に対応する造形方式としてインクジェット方式を採用する製品のうち、最小積層ピッチが0.05mm以下、かつ500万円以上の価格帯のものを紹介します。
ストラタシス社が開発してきたPolyJet方式の技術を余すところなく搭載したJ850 Pro。最大7種類の材料を同時に使用し、複数材料のアッセンブリモデルや高透明度のモデル、デジタルABS(ABSライク)などの高精細パーツを造形することが可能です。精度の高いプロトタイプの制作が可能なため、開発期間の短縮にも繋がります。
積層ピッチはハイクオリティーモードで0.014mm、ハイミックスモードで0.027mm、ハイスピードで0.027mm、スーパーハイスピードモードで0.054mmとなっています。
Stratasys J35 ProはStratasys社の3Dプリンターの中でもコンパクトなサイズの3Dプリンターです。積層ピッチはハイクオリティスピードモードで0.01875mm。低ランニングコスト樹脂やラバーライク材料、ABSライク材料、生体適合性材料、水性サポート材などが使用可能で、最大3種類の異なる材料を同時に使うことや、混ぜ合わせを行うことができるため、最終製品に近い外観や感触の再現が可能です。
オフィスに設置できるコンパクトさと高精細造形を併せ持ち、デザイン検証からエンジニアリングユースまで幅広いニーズに対応しています。
積層ピッチが0.032mmで、高解像度で細かい部分も表現できる微細性がProJet MJP 2500 Plusの特徴。また、後処理が簡単なため、造形したパーツを傷つけてしまうリスクも抑えられます。マテリアルラインナップも豊富で、造形の幅が広がります。
プロフェッショナル品質の造形が可能なため、製造、医療、建設などさまざまな分野で活用されています。
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
---|---|---|---|---|
アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。