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これまでプリンターといえば平面状の紙などに文字、写真、絵などをインクで印刷するものでした。しかし3Dプリンターは3D CADや3D CGのデータをもとに、樹脂などの材料を積み重ねる(積層)することで立体物を造形(出力)していきます。3Dプリンターの登場によりモノづくりの現場は大きく変わりましたが、最近ではマルチカラー、マルチ素材を使える3Dプリンターも増えています。半透明の素材を使えるようになったことで、半透明の造形や内部が見える造形もできるようになりました。
また、マルチ素材によってデジタルデータからのダイレクトな一体成形ができるようになり、カラー出力で表面加工や塗装も不要となっています。このように3Dプリンターは企画、デザイン、設計分野でも大きな進歩をもたらしています。
こちらでは、カラー造形と半透明造形におすすめの3Dプリンターをご紹介します。
公式HP(販売代理店公式HP含む)にカラー造形に関する記述のある主な製品を、編集部独自の視点で紹介していますので、参考にしてみてください。
※この機種は販売終了しています。2022年12月調査時点
半透明樹脂、高強度新素材樹脂、カラー樹脂まで幅広い素材に対応。鋳造に適したロストワックスも使用可能。繊細な造形ができるので、試作品製作、ジュエリーなどの型製作にもぴったりです。
<ProJet 3500 HD Max>
※この機種は販売終了しています。2022年12月調査時点
ABS&PLAの多彩なカラーフィラメント、高精度な造形が実現できる高剛性ボディとオリジナルヒーターヘッド、ダブル冷却ファンで出力造形物をスピーディに冷却、ヒータ付き成形テーブルで造形物の収縮や反りを抑制するなど高精度造形のために様々な機能が搭載されています。
ボクセル(3次元空間での正規格子単位)ごとに細部にわたって制御することで、これまで考えられなかったようなフルカラーのパーツ、複雑な構造のサーモプラスチック製パーツなどが製作可能。プロトタイピング、治工具の内製、最終製品製造まで対応します。
8種類の材料を使うことができるモデル、複合材料モードで樹脂を混ぜ合わせることで120種類の材料が使用可能なモデルなど14モデルを展開。デジタルマテリアル、マルチカラーに対応しているので、さまざまなデザインや設計現場で活躍します。
<Objet30 pro V5>
<Objet30 prime V5>
公式HP(販売代理店公式HP含む)に半透明造形に関する記述のある主な製品を、編集部独自の視点で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
独自技術「3SP」で表面の状態・精度を維持しながら高速加工を実現。大型造形や自動車部品などの成形など、工業用製品の製造・開発現場に向いています。豊富な素材に対応し、製品パーツだけでなく複雑形状の成形にも適しています。
プロジェクターで一気にXY方向へとLED光線を照射させるDLP露光方式採用で素早く液体樹脂を硬化させることが可能。アクリル、エポキシ、透明素材など、豊富なマテリアルに対応しているので、さまざまな分野で高品質造形が実現できます。
造形材料はセルフタッピングでも割れず内部を確認できる透明樹脂(AR-M2)、インクジェット方式ではシリコーンゴムと高硬度シリコーンゴムにも対応。高精細造形はそのままで耐熱100℃を実現できる樹脂もあり、配管やハード基盤製造などに利用できます。
<AGILISTA-3200>
AR-G1H(高硬度シリコーンゴム)
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
---|---|---|---|---|
アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。