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日本電産マシンツールから発売されているパウダDED方式(指向性エネルギー堆積法)の3次元金属積層造形装置・LAMDAシリーズについて、製品の特徴やスペックなどをまとめています。
LAMDAシリーズは、技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM)が受託した技術開発事業の成果を活用し、日本電産マシンツール株式会社(旧・三菱重工工作機械株式会社)が開発した金属3Dプリンターです。
LAMDAシリーズが採用しているパウダDED(Directed Energy Deposition)方式は、レーザーによって金属粉末を基材とともに溶融・凝固させることで肉盛り溶接を可能としており、その造形速度はパウダベッド方式の約10倍程度ともいわれています。
また、造形箇所に金属粉末を直接供給するため装置の大型化が容易であること、 既存部品への形状付加・補修・コーティングが可能、材料の切り換えによって異種金属の複層造形にも対応できるなど、様々なニーズに応える造形機といえます。
パウダDED方式のメリットとして、肉盛り前提の造形であれば「ニアネットシェイプ」といわれる最終形状に近い寸法の素材を用いて製品形状を仕上げることができます。
これにより、削りしろが多い切削加工に比べて素材コストの削減はもちろん、必要箇所のみを削るため納期の短縮にも繋がります。
さらに、同じ部品の形状バリエーションが必要な場合でも、最終形状に合わせて鋳造型を製作するといった必要がなく、基本形状をベースにそれぞれのフランジ部分を造形することも可能です。
LAMDAシリーズには3ポート供給タイプと全周供給タイプという2種類のノズルが用意されており、部品形状や精度に応じてノズルの選択が可能。
さらにノズル外周から不活性ガスを噴射することで溶融・凝固位置に局所シールドを付加。金属積層の課題とされる造形中の活性金属の酸化を防止します。
レーザーによる金属造形を行なう際、基材の材料種類や形状、造形中の温度などによって金属の溶融する程度が変化していきます。
LAMDAシリーズのモニタリング機能は、レーザー出力を状態にあわせて制御・コントロールすることができるため、長時間の安定造形が可能となっています。
LAMDAシリーズには、造形サイズ別に3機種が用意されています。
最大造形サイズ200×200×200mmの「LAMDA200」は小型部品の造形および造形工法の開発、試作評価に適したモデルです。
さらに最大造形サイズ500×500×500mの「LAMDA500」と2000×1500×1600mm「LAMDA2000」があり、これらはより大型の部品の製造に向いています。
LAMDAシリーズのパウダDED方式は、多品種少量生産に向いており、大形部品造形にも対応可能です。
また、チタン合金や低熱膨張合金での造形も可能なことから、航空機や宇宙関連の部品やエネルギー・自動車分野といった温度変化の激しい環境に用いられる高機能部品の製作にも適しています。
LAMDAシリーズの導入事例は見つかりませんでした。
会社名 | 日本電産マシンツール株式会社 |
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所在地 | 滋賀県栗東市六地蔵130 |