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DWS Systemsの3Dプリンター「DWSシリーズ」に注目。特徴やスペックを紹介します。
DWS Systemsの3Dプリンターは出力したモデルの表面がとてもキレイです。従来は出力表面が段々になってしまっているため、それをキレイに仕上げる作業が必要でした。しかしDWSシリーズは、表面仕上げが必要ありません。そのため前面に模様が入っている造形物も作りやすく、手間がかかることもありません。
光造形の品質は使用する樹脂で変わると言われているなか、DWS Systemsの3Dプリンターは20種類以上の樹脂が使用可能です。産業分野をはじめ精細なデザインを必要とするジュエリー製作や歯科医療の現場で使用されているのも、豊富な材料を選ぶことができるから。樹脂の交換もたった30秒で終えられるため、造形毎に樹脂を変えて出力することもできます。
これほど樹脂にこだわっているのは、日本の3Dプリンター開発で知られる荻原博士が担当しているからです。品質の高い樹脂開発により、DWSシリーズでは光造形の品質を保つことができます。たった30秒で樹脂交換もできるので、毎回樹脂を変えて造形出力ができるなど、使い勝手の良さにも納得です。
いままで3Dプリンターによる精密パーツは表面の段差を取るのが難しかったのですが、DWSで出力したモデルなら段差がないため精密な部品を作るのに適しています。段差がないのでパーツ類もキレイに出力でき、産業分野でも活躍します。鋳造用樹脂にも力を入れていて、樹脂モデルを鋳造しクオリティの高い金属モデルを作れるようにもなったため、ますます製作の幅が広がります。
DWS造形機による造形の流れを工程ごとに解説します。
DWS造形機は電源を投入すればすぐに使えるのが特徴のひとつです。つまり、長い準備工程は必要ありません。キャリブレーション作業の必要がないため、必要な造形機と比べて短くても数十分、長ければ1時間かそれ以上の時間を節約することができます。
DWS造形機による造形の第一工程は、専用のトレイに少量の樹脂を注入することです。吊り上げ方式のDWS造形機では、プラットフォームが樹脂層に潜らないため、多くの樹脂を必要としません。20種類以上ある使える樹脂の交換作業は10~30秒ほどでできます。
次に、本体のカバーを上げて樹脂の入ったトレイを本体にセットします。トレイのセットで3Dプリンター側の設定は完了です。
まずは、元となる造形物のデータを作成します。3DのCADソフトなどを利用しますが、ここで注意する点としてファイルの保存形式をstlにすることがあげられます。主なソフトは、3DESIGNやJ-CADなどです。この作業が終れば、専用のソフトを使用してスライスデータを作成します。
造形物のデータが完成したあとは、専用のソフトを使って修正する工程です。この工程は、自動でサポートを作り、スライスデータを作る工程で、「NAUTA」という付属のDWS用ソフトを使用します。操作も簡単です。
スライスデータの作成まで終えれば、付属の専用CAMソフトを使ってデータを造形機に送ります。レーザーのスピードや積層ピッチといった造形に必要な詳細数値などは専用ソフトで設定可能です。
データが転送されると、いよいよ造形の開始です。造形データそのものをCADで作成する作業は別にして、造形機が動き出すまで早ければ5分程度、長くても20分程度の工程になっています。それだけ簡単に扱えるという証明になるでしょう。
造型機の動作が始まれば、造形が完了するまでは待つだけとなります。ガルバノスキャナー方式を採用するDWS造形機では、造形出力にかかる時間も短く、全体の工程も短時間です。
造形が完了すれば、造型機のカバーを上げてプラットフォームを取り出します。続いて、プラットフォームから造形モデルを切り離して取り出します。
取り出した造形モデルは、アルコールの液の中で洗浄します。洗浄とサポートの処理が終れば完成品の出来上がりです。この工程に要する時間は5分程度です。DWS造形機で使用するのは、大半が二次加工を必要としない材料となっています。
DWSシリーズは豊富な納入実績を誇ります。技術と高性能を誇りながらも、500万円を切る低価格を実現したガルバノタイプ造型機は世界で認められた製品といえます。
高速性能と高品質を兼ね備えたDWS造形機は、卓上モデルや大きなワークスペースを持つモデルなど幅広いラインアップでユーザーのニーズに応えています。
その分野は、医療機器や宝飾品、車、家電業界などさまざまです。 また、ランニングコストを考えるうえで重要な消耗品のレーザーランプは、日本で納入されてから5年間の実績でひとつも切れていません。
メンテナンスフリーのDWS造形機は、原点出しを毎月するだけの楽々メンテナンスが好評です。この作業にかかる時間は3分程度で足ります。
3Dプリンター「DigitalWAXシリーズ」には、価格や性能によって選べる8つの機種があります。ここでは、それぞれの機種のスペックや特徴について比較できるように表にまとめました。ぜひ購入の際の参考にして下さい。
DigitalWaxシリーズ最初にDLP方式が採用された製品です。シリーズの中で最も価格が低く、コストカットが叶った造形機といえます。新しいDLP方式を採用しているので、低価格ながら高性能で、キレイな造形と快適な造形速度を実現しているのも見逃せないポイントです。
ワークスペースは50×37mmと小さいながらも、指輪などの小物であれば一日30~50個ほどモデルを作成することができます。価格・速度・クオリティーの三拍子揃っていて、仕事で使える入門機に適した機種です。
020Xは、ガルバノスキャナータイプでかつ低価格であり、広い造形面も可能にした卓上タイプモデルです。ガルバノスキャナータイプの機種は、精度・スピード・ランニングコストの点で優れていて、複雑なモデル、繊細な穴、薄い表面なども細かく造形することができます。高速造形とハイクオリティの両方を実現しています。
vw028シリーズは、ガルバノスキャナーで造形する技術を持つデスクトップモデルです。スピーディな造形と高品質を実現しつつ、繊細で小さい造形向けにおすすめの機種になっています。
028Jと同じシステム採用の機種で、造形スペースが90×90ミリのミドルサイズ機です。028Jで造形できなかった大きめのモデルも造形可能です。
029Jは、ガルバノスキャナー方式を採用し、ワークエリアが110×110×100mmの機種です。細かいパーツを量産する業者やサービスビューローに導入をおすすめしている機種です。ワークスペースが十分な広さで確保されているため、大きな造形物でも対応できます。
また、新しくトレイ可動システム「TTTシステム」を採用しています。このTTTシステムは、モデルの造形(1レイヤー)の間トレイを左右に自動的に移動させるシステムで、同じエリアにレーザービームが照射されつづけるのが原因で起こるトレイの消耗を防ぐことができます。小さなパーツであれば、1日(24時間)で270個程度のモデルの造形が可能です。
029Xは、スピード・品質・造形エリアのサイズにおいてバランスのいい機種で、さまざまな分野に対応可能です。ガルバノスキャナー方式とトレイ可動システム「TTTシステム」を採用。
ワークエリアは150×150×200mmと大きいので、長いモデルの造形も可能です。大きな造形物の作成や、小さなパーツの量産、サービスビューロなどにも適応できます。小さなパーツであれば、1日(24時間)で800個程度のモデルの造形が可能です。
030Jは、ワークスペースが300×300×300とシリーズの中で最も大きい機種です。工業デザイン等の大きなワークをカバーできます。広い造形スペースでもシリーズ中最速の造形スピードを可能にしています。ダイレクト鋳造も可能な樹脂は、ロストワックス製品の製造にも使用されています。
XPROは、大型で高精細な3Dモデルを必要とする業界をターゲットにした3Dプリンターです。DWSが誇る精密度の高い造形技術と樹脂材料を開発する技術をかけあわせ、短時間で大型かつ精度の高い3Dモデルを造形出力しています。
大きなワークサイズを備えているので、ボディーケースや建築模型なども作成可能です。様々な業界の開発・試作段階において、XPROの採用することで大幅なコスト削減と時間短縮を見込めます。
会社名 | シーフォース株式会社 |
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所在地 | (本社)東京都台東区台東4-18-12 |
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
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アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。