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ドイツ・ベルリンに本拠を構える大型3Dプリンターメーカー・BigRep社が提供し、産業機器輸入商社の株式会社イリスが日本総代理店を務める工業グレード大型3Dプリンター「BigRep PRO」について、特徴やスペック、導入事例などをまとめています。
BigRep PROは、ドイツの大型3Dプリンタメーカー・BigRep社が手がける工業グレード大型3Dプリンターです。
造形サイズ1m3を超える「BigRep ONE」とコンパクトな「BigRep STUDIO」に続くラインナップとして発売されたBigRep PROは、約1立方メートルのビルディングエンベロープと、密閉された造形チャンバーおよび連続プリント用大型温度制御スプールチャンバーを搭載。
高性能マテリアルを使用しての大型造形において、その能力を遺憾無く発揮してくれるでしょう。
BigRep PROには「MXTモジュール式エクストルーダー」というフィラメント供給と押出される材料の量・速度を制御する独自システムが搭載されており、0.6mmノズル使用で一般的なFFF方式の3Dプリンタのおよそ5倍の速度での高精度出力を実現しています。
また、ドイツのBosch Rexroth社との技術提携による「モーションコントロールシステム」の搭載によって、プリントプロセス全体を管理できる他、IoT接続や工場のシームレス化も可能となっています。
BigRep PROは約1立方メートルの造形サイズを有しており、またPA6/66、ProHT、PLA、PETGといった材料が使用可能で、大規模な工業部品の生産に適しており、さらに機能試作・複合工具・最終用途製品などにも対応しています。
なお、造形サイズ1,500×805×600mmを有し、ハイエンドの高性能マテリアルの処理が可能な「BigRep EDGE」も併せて発売されています。
BigRep PROの導入実績は見つかりませんでしたが、同社のプロ・産業ユーザー向けの大型3Dプリンター・BigRep ONEの導入事例をご紹介します。
ラグジュアリーヨットや業務用ボートの操舵装置を製造するイギリスのCJR Propulsion社では、オーダーメイドでの設計のため毎回模型を製造する必要があり、BigRep PROの導入。以前に比べ安価で製造できるようになっただけでなく、数週間を要した模型製作者との打ち合わせが数時間で済むなど、効率良く製造ができるようになったそうです。
バスタブとシャワーベーストレイの設計を手がけるドイツのVilleroy & Boch社では、試作品製造のためにBigRep PROを導入。以前は人の手によって多くの時間を費やしてした試作品の製作が、導入後はわずか3週間でできるようになったといいます。
会社名 | 株式会社イリス |
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所在地 | 東京本社/東京都品川区上大崎3-12-18 イリスビル |
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
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アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。