公開日:|更新日:
このページでは、MakerBotが開発した3Dプリンター「METHODシリーズ」について紹介しています。カーボン複合フィラメント対応の「METHOD CARBON FIBER EDITION」を中心に、製品の特徴などをまとめました。
MakerBotが開発した「METHODシリーズ」はデスクトップ型の業務用3Dプリンターです。シリーズには「METHOD」「METHOD X」「METHOD CARBON FIBER EDITION」があります。
なかでも「METHOD CARBON FIBER EDITION(メソッド カーボンファイバーエディション)」はナイロンベースの新材料「MakerBot Nylon Carbon fiber」フィラメントを採用しており、高強度かつ高耐熱性を実現。また、メタルドライブギア搭載のヘッド「Model 1c Composite Extruder」に対応しています。さらにMETHODシリーズではフルカラータッチスクリーンを採用しており、操作を直感的に行えるのも嬉しいポイントです。
なお、サポート材には親水性に優れた水溶性サポート材PVAを採用。サポート除去が非常に容易なため、複雑な形状の造形にも適しています。
METHODシリーズでは造形におけるすべての層の温度制御が可能な「ヒートチャンバー」を搭載しています。そのため熱収縮を防ぎ、モデルの反りや寸法精度の向上につなげています。
「METHOD」「METHOD CARBON FIBER EDITION」ではビルドチャンバは最高60℃ですが、「METHOD X」では最高100℃まで到達可能。高強度が求められるABS造形も行えます。
METHODシリーズは強度を確保しながらもブレのない安定した造形を実現しているため、試験や検証用のパーツ製作に向いています。ものづくり現場やデザイナーオフィス、研究室などさまざまな用途で活用できます。
なかでもMETHOD CARBON FIBER EDITION(カーボンファイバーエディション)は複雑な形状の造形が可能なため、治工具や最終製品の造形などに適しています。
METHODシリーズの具体的な導入実績について紹介します。
アメリカにある機械工場でMakerBot METHOD X 3Dプリンターを導入した事例です。ロボットアーム用のカスタムパーツをReal ABSを使用して造形しました。ロボット研磨機アタッチメントは自社で設計し、自動化によって生産工程の効率化を実現しました。
ソーラーパネル技術開発用の試験器具を造形した事例です。以前は安価な3Dプリンターを使用していたものの、キャリブレーションと再造形に時間がかかることがストレスだったそう。そこでMETHODを導入し、低コストかつ短時間で部品の造形を実現。さらにMETHODXも導入し、ABSなどのより高耐熱材料での造形も可能にしました。
会社名 | アルテック株式会社 |
---|---|
所在地 | 東京都中央区入船二丁目1番1号 住友入船ビル2階 |
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
---|---|---|---|---|
アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。