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3Dプリンターを使うメリット
用途別3Dプリンター3選を
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この記事でわかること
- 開発期間・コスト削減や在庫適正化など、企業が3Dプリンターを導入するメリット
- 切削加工と比較した際の加工形状の自由度や作業効率の違い
- FDMや光造形など、主要な5つの造形方式ごとの特徴とメリット・デメリット
3Dプリンターを使うメリットとは?業務にどんなメリットがあるのかを調べました。
3Dプリンターを導入することで企業が得られるメリット
開発期間・製作時間を削減できる
今まではまず金型を作成してから部品製作をしていたものが、3Dプリンターならモデリングデータさえ用意すれば金型を作成する必要がなくなります。そのため試作品やテストパーツ、治具なども容易に作られるようになり、開発期間や製作時間を削減できるようになりました。
コストを削減できる
外注に依頼をして製作していた試作品を社内で作ることができるため、コストを削減することができます。さらにデータやパソコン画面からは気づかなかったデザインミスを金型製作前に確認することができるので、ミスを防ぎ無駄なコストを抑えることができます。試作品にとどまらず、実際の最終製品の製作にも3Dプリンターを活用すれば、大幅なコストダウンが期待されています。
品質が向上する
3Dプリンターを使えば手軽に造形ができるので、試作段階で細かい形状や動きの確認をすることができます。出力した部品を組み立てれば量産する前の事前検証ができ、品質の向上を図れます。
今まで小さなパーツを組み合わせていたものが、3Dプリンターによって1つのまとまった造形物として製造が可能です。このため耐久性において従来品よりも向上させることもできます。
アイディアをすぐに造形することができる
従来は思いついたアイディアがあっても、すぐに手軽に造形することができませんでしたが、3Dプリンターを使えばアイディアをすべて簡単に造形することができます。手軽に使えるため、より良いアイディアの創出につながります。
余分な在庫を持つ必要がない
これまでは製品が故障した時のために、予備としてパーツをある程度用意しておく必要がありました。しかし、3Dプリンターによる製作の場合、データさえ管理しておけば、必要なときに必要な分だけ製作することができます。商品を変更したり改良する場合でも、データを調整するだけで、新しく金型を用意する必要がありません。在庫の管理がなくなりますし、開発中に発生していた廃棄物も削減でき、製造中止でパーツがなくなり修理ができないということもなくなります。
3Dプリンターを導入するメリットとデメリット
3Dプリンターはどんな形状物を作るときにメリットがあるのか。また3Dプリンターを導入することによって考えられるデメリットを紹介していきます。
3Dプリンターなら切削では加工できない形状が造形可能
複雑な立体形状であったり、細部に刃物が入らないような形状をしていると切削では対応不可能です。そこで3Dプリンターを用いることで造形を可能とします。例えば二重構造となっている場合は3Dプリンターを使用した方が便利でしょう。
3Dプリンターなら切削対応よりもコストが抑えられる
切削対応可能な形状でも、素材の板などから大きく削る必要があるケースなどでは完成品の使用材料は少なくとも用意しなければならない素材が大きく、材料コストが大きくなります。その点、3Dプリンターならば、必要最低限の材料しか必要ありません。また切削加工だと5時間を要する形状であったとしても、3Dプリンターを使用すれば1時間程度で作業が終了することもあります。
追加工が不要
切削加工をしたあとに追加工が必要な形をしていても、3Dプリンターなら一度の作業で造形ができます。切削で仕上げてから、ワイヤーカットなどの歯切り加工が必要なケースでも3Dプリンターならば、最初から完成までひとつの機械で完結します。多くの機械を持たずに済むのが3Dプリンター導入のメリットのひとつだと言えるでしょう。
切削加工と3Dプリンターの相違点
そもそも切削加工とは、数種類の工具を用いて材料を切り削る加工方法です。大きい材料から不要な部分を削り取り除いていくので、除去加工とも言われます。金属素材や木材、プラスチックなど多様な素材で一般的に用いられる加工手段で、切削機などは多くの製造業の現場で導入されているでしょう。
切削加工は3Dプリンターと比較して高い精度が出せるため、実際の製品と同じ材料で試作品を作成したり、最終製品のパーツを製作したりするのに用いられます。ただし1点製作するのにかかるコストは高く、社外に発注した場合には早くとも1週間はかかってしまいます。切削加工のデメリットは、この高コストと製作時間です。
この切削加工のデメリットを解消できるのが3Dプリンターです。3Dプリンターの中でも積層法を採用しているなら中空構造などの複雑な造形も一体成型ができます。積層法は3DCADデータをもとに断片化した2Dの層を1枚ずつ積み重ねて立体モデルを造形する加工方法です。
また3Dプリンターならば強度や精度、気密性などは造形方式や材料によって変えることができます。そのため造形物の利用目的に合わせて機種を選ぶ必要が出てきます。高性能な業務用3Dプリンターを導入すれば、最終製品となるパーツを作ることもできるようになるでしょう。
3Dプリンターの造形方式別メリット・デメリット
3Dプリンターは主に5種類です。材料は樹脂が中心ですが、他にも石膏やナイロン、PPなどを使用する製品もあります。光や熱、接着剤を用いて造形をするのは同じですが、それぞれに向き不向き(メリット・デメリット)が存在しています。続いて造形方式別にメリットとデメリットを紹介します。
熱熔解積層方式(FDM)
業務用よりも一般消費者向けに低価格で市場に流通している3Dプリンターが採用しているのがこの熱溶解層方式(FDM)です。熱可塑性樹脂であるABSやPLAなどを材料とするリール状の細いフィラメント(モデル材とサポート材)を、溶かしながら積み重ねて造形していくタイプです。
メリットは一般消費者向けに作れている製品もあるため安価なことが特徴として挙げられます。また使用する材料がABSやPLAのため、市販品に近い造形物が造成できる点もメリットと言えるでしょう。さらに構造がシンプルなので、本体サイズが小型であることも特徴と言えます。
一方でデメリットは微細な造形には向いてない点です。造形物の積層界面が脆いのも、熱溶解層方式3Dプリンターを使用する際には注意しなければなりません。また他の造形方式と比較して、サポート材の除去に労力がかかります。
粉末焼結方式
粉末焼結方式はレーザ照射により粉末を焼き固める方式。使用できるのはナイロンやセラミック、一部金属素材です。複雑なデザインの造形にも対応していることが特徴と言えます。この方式の3Dプリンターを使用するメリットはナイロンや金属など材料の自由度が高い点です。
一方で粉末焼結方式を採用している3Dプリンターのデメリットは、本体価格が高価なことです。また表面にザラつきが生じてしまいます。さらに言えば、完成造形物から粉末を除去しなければならないことが弱点となりそうです。
インクジェット方式
インクジェット方式は光造形の一種です。インクジェットヘッドから紫外線硬化性樹脂を噴出して、UVランプで紫外線を照射することで固めていきます。ヘッドから出る樹脂が細かいため、小さい積層ピッチで表面がなめらかに仕上げられます。
インクジェット方式のメリットは、他の造形方式と比較して高精度な造形が行えることです。また複数の材料を混ぜて使える機種もあることがメリットと言えるでしょう。反対にデメリットは劣化や変色、変形をする可能性が高い点です。使用する素材からも分かるように紫外線の影響を受けやすいからです。加えてインクジェット方式を採用している3Dプリンターは高価であることが購入する上でネックとなるでしょう。
面露光方式
面露光方式もインクジェット方式と同じ光造形の一種となります。光源にプロジェクターを使用し、樹脂を固める方式です。一度に広い範囲に紫外線を照射することが可能なため、造形スピードが速いのが強みです。積層ピッチが細かく、表面の仕上がりもなめらかになるのも面露光方式の特徴と言えます。最近では低価格帯の機種も出てきているため、一般消費者でも購入しやすくなっています。
この面露光方式を採用した3Dプリンターのデメリットは照射範囲を広げてしまうと、解像度が落ちる点にあります。他にはサポート材を除去しなければならず、これに手間がかかることもデメリットとなります。サポート材とは最終製品となるモデル材とは別で、造形の過程でモデルを支える材料のことを指します。3Dプリンターを購入するときには、この除去作業がどれぐらい手間になるかも考えることをオススメします。
粉末接着方式
粉末接着方式とは石膏などの粉末材料を敷き詰めた上に、ヘッドを移動させて粉末を均しながら、形に沿い接着剤を塗布し固める方式です。一般家庭に普及しているインクジェットプリンターと同じようにヘッドが動きます。粉末材料に色を着けることで、フルカラーで造形することもできます。材料費が安く、造形スピードが速いのもメリットです。一方で強度がなく、強度を確保するためにはワックス処理をしなければならないのがデメリットと言えます。
よくある質問
Q1
試作の内製化で納期と費用は、どの条件なら改善しやすいですか?
A
設計変更が多く、少量の試作品を繰り返し作る場合は改善しやすい傾向があります。1回だけの大きな部品より、設計変更のたびに作り直す小さな部品で効果が見えやすい場合があります。外注時の見積もり待ちも比較時間に含めます。ただし、本体と材料だけでなく、データ準備、後処理、検査、保守の時間と費用も必要です。
現在の外注品を数件選び、発注から受領までの期間と総費用を記録し、同じ部品を内製した場合と比較すると効果を判断できます。
Q2
金型製作後の設計ミスを減らすには、3Dプリント試作で何を確認しますか?
A
金型製作前に、相手部品との組み付け、手が触れる形状、可動部、外観などの判断点を実寸で確認します。部品が『入る』だけでなく、組み付ける順番や工具の入り方まで確認すると、金型着手後に見つかる問題を減らせます。ただし、3Dプリント品で成形収縮や量産材料の強度まで再現できるとは限りません。
『試作品で承認できる項目』と『量産材料で再評価する項目』を分け、レビュー結果を設計データへ反映してください。
Q3
切削機がすでにある工場でも、3Dプリンターを併用する価値はありますか?
A
刃物が届きにくい内部形状や、形を頻繁に変える治具・試作品では併用に価値があります。切削後の簡単な治具を一体造形で作れる場合もありますが、仕上げが必要な基準面は切削を残す方が確実なこともあります。工程単位で分けて考えます。一方、単純な形状、厳しい公差、量産材料そのものの評価は切削が有利なこともあります。
部品ごとに形状、必要精度、材料、数量、後加工を並べ、両工法の総工数を比べて使い分けます。
Q4
保守部品を必要時に造形すれば、現物在庫を減らせますか?
A
需要が少なく、必要時に造形・検査できる部品なら在庫を減らせる可能性があります。設計データが古いままでは、必要時に作れても現行設備に合わない可能性があります。部品番号と改訂履歴、現物との照合方法を決めておきます。ただし、設計データの更新管理、材料の供給、造形待ち時間が必要です。
故障時に停止できない設備の重要部品は、現物在庫を残す判断もあります。候補部品ごとに使用頻度と許容停止時間を確認してから移行します。
Q5
3Dプリント品を最終製品の部品に使うとき、何を追加で確認しますか?
A
試作で形が合っただけでは出荷判断はできません。重要な部品では、完成品に求める性能だけでなく、製造回ごとの測定値を残せるかが問題になります。試作の合格品と同じ条件を再現できる体制が必要です。荷重、温度、薬品、紫外線、使用期間を定め、造形方向や後処理を含む製造条件を固定して評価します。
必要な規格や品質管理の条件も用途ごとに確認します。一体造形で部品点数を減らす場合も、故障時の交換性まで含めて検討すると実用性を判断できます。
Q6
予算を抑えて導入するなら、本体価格以外に何を優先して比べますか?
A
まず作りたい部品と必要な仕上がりを決め、候補方式を絞ります。月間の利用数が少なければ、装置を所有するより外部造形の方が費用を抑えられる場合もあります。内製でしか得られない納期上の価値も加えて比較します。安い本体でも、失敗による材料ロスや後処理の工数が大きければ総費用は上がります。
代表部品について、造形時間・材料費・仕上げ時間・保守費を比較し、必要数量を無理なく作れるか確認すると、過不足の少ない選定ができます。