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業務用3Dプリンターを選ぶ際のポイントとして、精度を判断するために積層ピッチの細かさを基準とされる方も多いかと思いますが、高精細な造形には、造形方式も重要なポイントとなってきます。
特にインクジェット方式は、インクのような微細な状態から物を造形するので、他の造形方法と比べて表面が滑らかに、また繊細な造形が可能になります。
ここでは、精度を重視したミドルクラスの3Dプリンターとして、500万円未満であり、積層ピッチが0.05mm以下、かつ造形方式がインクジェット方式の3Dプリンターを掲載しています。ぜひご参照ください。
アジリスタはインクジェット方式を採用しており、積層ピッチ0.015mmを誇ります。またアジリスタは積層ピッチ以外のポイントにおいても、高精度実現のための条件を備えています。
例えばアジリスタでは、水溶性のサポート材を使用しているため、サポート材の取り残しによる誤差なども生じにくく、また高温に加熱した造形を行わないため、温度差による造形品の反りや歪みも抑えられます。
スペックに現れない部分でも、高精度造形が徹底されている点が、アジリスタの大きな特徴です。
Objet30 Pro V5は積層ピッチが0.016mmで、高精細造形を可能にしています。滑らかな表面や小さな可動パーツ、細かいディテールや複雑な形状、超薄壁なども正確に再現でき、ハイエンドなラピッドプロトタイピング機に匹敵する精度を誇る3Dプリンターとなっています。
また、硬質材料2種、透明材料2種、PPライク材料2種、耐熱材料、ゴムライク樹脂、低価格材料の9種の材料が使用可能で、幅広い目的に対する造形が可能です。
3DUJ-2207の特徴は、なんといってもフルカラー造形が可能な点です。UV硬化インクジェット方式を採用し、積層ピッチは0.028mm。高精細な色表現を実現しています。長年2Dプリントで培ってきた印刷技術を生かした精巧な造形も特長です。
またアクリル系樹脂を使用して強度を上げ、ドリル等での穴あけやネジの取り付けも安定します。オーバーコートもできるので、最終製品として耐候性がアップし、より美しく仕上げることができるので、フィギュアやおもちゃなどのグッズデザインにも適しています。
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
---|---|---|---|---|
アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。