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CHECK02.どんな材料を使うのか
用途別3Dプリンター3選を
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この記事でわかること
- 業務用3Dプリンターで使用できる多彩な材料の種類とそれぞれの特徴
- 試作品や最終製品など、目的に合わせた最適な材料選びのポイント
- 使いたい材料に対応した3Dプリンター機種を選ぶことの重要性
業務用3Dプリンターを選ぶ基準のひとつである、使用する材料について調べました。
業務用3Dプリンターの材料は何がある?
業務用3Dプリンターを選ぶ基準のひとつとして、材料が挙げられます。代表的な材料に表面光沢に優れていて着色もできる「ABS樹脂」と、弾力性がなく硬いため大型の造形物に向いている「PLA樹脂」がありますが、最近ではナイロンやポリカーボネート、ゴムやエラストマー材料の熱可塑性ポリウレタン、ペットボトルに使われるPETGなど、さまざまな素材が3Dプリンターで使えるようになっています。
またABS樹脂とPLA樹脂をベースにしたものも開発され、高強度PLA、反りを減らしたABSなども出てきています。
かつて「3Dプリンターは材料が選べない」とよく言われていました。しかし最近ではこの主流の2種類に加えて金属やカーボンといった強度のある材料を使える3Dプリンターも出てきました。そのため試作品の製作として利用されることが多かった一昔前から、今は実用品や最終製品を作るための装置としても3Dプリンターが活躍してきています。
米と欧州の航空機大手2社では、すでに3Dプリンターで作られた部品が航空機に組み込まれており、砂糖を材料にしてお菓子を作ったり、歯科治療用のセラミックをプリントしたりなど、技術の発展と材料の広がりが3Dプリンターの可能性を大きく向上させています。
使いたい材料を扱える3Dプリンターを選ぶ
切削加工なら削れるものであれば何でも材料が選べますし、射出成形も自分で選んだ樹脂を使うことができます。しかし3Dプリンターの場合は、メーカーが提供している材料を使うこととなるため、提供されていない自分の好きな材料で自由に造形するということはできません。
そのため自分が使いたい材料が決まっている場合は、その材料が使えるモデルであるかどうかをしっかり確認しておくことが大切です。使いたい材料が使用できないモデルを選んでしまったら、導入する意味がありません。
どのような目的かも合わせて考える
材料を考える場合、どのような目的で3Dプリンターを使うのかも合わせて考える必要があります。試作品のように形を確認することが目的の造形なら、材料にこだわる必要性は低くなります。反対に実際に部品として使いたいという目的があるなら、材料の強度や表面の仕上がりなども確認したいところです。
3Dプリンターで何ができるか?
通常、プリンターと言うと、パソコンで入力された文字情報や画像情報などを紙などの媒体に出力する、というのが一般的であり、いわゆる2Dです。しかし3Dプリンタは立体物である3Dのものを出力できるという、かつては考えられないもので、一般の家庭用3Dプリンタから業務用まで広く普及してきました。将来的には数千億、数兆円規模の産業になると言われているビジネスであり、発展が期待される産業分野です。
使える素材
2Dプリンターでも厚紙が使えなかったり、光沢紙にうまく移らなかったり、プリンターの機種によって使える紙が違いました。3Dプリンターも同様に、機種によって使用できる材料が違いますし、目的とする造形物によっても使うべき材料は違ってきます。また3Dプリンターの場合は、紫外線を当てることで少しずつ硬化させた後に熱で溶解させたり、レーザーを照射して焼くことで形成するなど、材料によってプリントする工程も違ってきます。プリンターの機種によって材料の向き不向きがありますから、それぞれの材料の特徴を知っておけばプリンター選びにも役立てることができるのではないでしょうか。
何の材料で何を作る
材料を選ぶのはいいですが、その材料選びによって作れるものが当然違います。まず何を作りたいかを決めることから始めましょう。3Dプリンターは現在でもそうですが、業務用として企業の製品試作で使用したり、医療用の試作品、工業系の建築模型など、様々な業界で使われています。3Dプリンターは3DCGや3DCADなどと言われるソフトウェアで作られたデータをもとに作られることが多いです。CADなどは聞いたことがある人もいると思います。建築用の設計図や模型を作る時、服飾のデザインや家具の製作に用いられるものです。ここからは3Dプリンターではどんな材料が使えるか、見ていきましょう。
ゴム
ゴム素材できたものは様々ありますが、一昔前のキン肉マン消しゴム、おもちゃ屋のガチャガチャで出てくる商品やペットボトルのオマケだったり、フィギュアやキーホルダーなどにもゴムでできた製品は様々あります。家電や家具の一部に滑り止めとしてゴムか使われていたりもします。
ゴムライク素材と呼ばれ、幅広い用途に使われ、柔らかさを必要とする場合に用いられます。質感としては滑らかで、価格も安めです。半透明の色が多く、ここから着色していきます。
光造形法でプリントをし、造形方法はポリジェット方式のため滑らかな表面になります。デメリットとしては、柔らかいため、あまりに細かったり、長さがあるものは形成できない場合があります。多少は大丈夫ですが、切れる可能性もあり、執拗に曲げたり、強くひねったりすると壊れ、熱に弱いため高温状態の場所などにあると、形状が変化したり、原型がなくなることもあります。そのために材料によって硬度も変えられるので、安心ではあります。
ナイロン
ナイロンもしくは、ポリアミドやPAなどと呼ばれます。あまり馴染みのない素材かもしれませんが、聞いたことはあるでしょう。インテリアだったり、模型だったり、車のパーツにも使われます。強度あり、複雑な構造でも対応できるため、人気な素材です。しかも値段も安く、かなり凡庸性が高い素材になります。素材の特徴として表面がザラザラしています。
デザイン性の高い製品、強度が必要な製品などに適しています。なぜなら、強度に加え柔軟性もあり、熱に強いという特徴もあるからです。形成方法としては、SLS方式という、粉状の固まった層を積み重ね、レーザーで焼き固めていく方法になります。
素材も安く強度もあり、作れる製品も多いことからメリットしかないように思えますが、対応するプリンターが高いというデメリットがあるので、元がとれるのかよく吟味してプリンターを購入しましょう。
石膏
石膏は美大生などがよく使うイメージなどありますが、あながち間違ってもなくクリエイティブなフィギュアなどのキャラクター製品などの用いられることが圧倒的に高い素材です。この素材の特徴としては、フルカラーで様々な色を表現できます。他の素材は単色などの場合も多い中、こういったところでフィギュアや模型などに用いられます。
費用も安く、また造形時間が短いのが特徴です。展示などの用途が多いため、あまり強くひねったり、ひどく扱うことがないので良いのですが、強度が弱いというデメリットはそれほど気にすることではないでしょう。凹凸があるものに関しては、経年劣化で色が剥げ落ちたりする場合もあります。形成方式は、粉状の石膏を水やインクで固めていきます。この材料を使うのはクリエティブな作品作りなどに向いているので、石膏はどうしても外せないという方はそれに対応したプリンターを選ばなくてはなりません。
アクリル
アクリルパネルやアクリル版など聞いたことや使ったことがある人もいるのではないでしょうか。非常に薄い上に丈夫で、加工もできる素材です。2Dだけじゃなく、3Dにも対応しうる素材で、3Dプリントの素材としては一番ポピュラーとも言えます。
細かい造形にも向いているため、精密機器や部品と実用的な製品に用いられることが多い素材です。表面がなめらかで細やかな造形にも向いていますが、あまりにも細かったりするのは厳しい面もあります。透明性もあり、弾力性や着色にも優れているため用いられることが多い材料です。
デメリットとしては、耐久性が少し足りていないことや、熱などに弱い面もあります。また、対応する機種も高価な場合も多いので、導入を検討する際は様々な機種を比較してみましょう。
ガラス
ガラスというと食器やグラスやテーブルなど身の回りに用いられていますが、それも3Dプリンターで可能なの?というと結論を言えば可能です。しかしながら最近開発されたため、まだ広く知れ渡っておらず、実際に使われるのも少ないのが現状です。ガラスというと職人さんが熱を駆使して暑い中作るイメージもありますが、プリンターでもできてしまう時代になりました。
もちろん使われる際も制限があり、デザイン性の高いものや細長い形状のものは形成できませんし、非常に壊れやすいので形成途中に失敗する恐れもあるので、デザインをする際はそのあたりもよく考え、プリンターとの調整をしなければなりません。
ABS
一般にプラスチックと呼ぶものはABS樹脂です。強度と粘着性があり、塗装などの後加工もしやすいです。家庭用の3Dプリンターでよく使われ、おもちゃ、日用品、雑貨などの造形に適しています。アルカリや酸には耐久性がありますが、熱に弱いので日光の当たる野外のものの造形には不向きです。
PLA
ジャガイモやトウモロコシからデンプンをとって素材にしたものです。植物由来なので出力しても樹脂のにおいがありません。ABS樹脂より低い温度で溶けるので変形や歪みがありませんが、熱に弱いので耐久性があまり高くありません。弾力生がないので加工が難しく、塗料もうまくのりません。しかし硬く粘り強いので大型造形物に適しています。
ポリカーボネート
通常のプラスチックより耐熱性にすぐれ高強度なので、自動車部品や精密機器などに使用されています。ポリカーボネートはこれまで切削や金型でしか利用できませんでしたが、3Dプリンターの材料として使われるようになり、ものづくりの幅も広くなりました。
ポリプロピレン(PP)
工業製品に多く使われているプラスチックです。強度がありながら柔軟、折り曲げに対する耐性が高いことからバケツなどの容器、文房具など筐体、自動車用のパーツ、家電製品など広い分野で使われています。光造形3Dプリンターの材料として使うことで、積層跡が目立たない滑らかな仕上がりとなり、プロトタイピング段階から高い精度の試作品を作ることが可能です。
ワックス
ジュエリー製造に使われるロストワックス鋳造の材料として使われます。ロストワックス鋳造はロウ型を砂型で挟んで加熱し、ロウを溶かした後の空洞に金属を流しこんで作る技術ですが、3Dプリンターではワックス樹脂を使ってロウ型を直接作ることができます。3Dプリンターを使うことでロストワックス鋳造が飛躍的に効率化され造形の精度も高めることができます。
木
木製の素材になり、プリンターで出力するというよりは削るという感じになるかもしれませんが、実際に木製品に対応したプリンターもあります。ただし、これも開発黎明期のため、対応するプリンターも少ないので、かなり限定的になります。
食材
お菓子までプリンターで作る時代?そんなSFのようなことが起こるはずがないと思うかもしれませんが、もう実用化が進んでいます。フード3Dプリンターとも呼ばれ、クッキーやパン、ピザやあんこ素材など様々なお菓子をデザインすることができます。ペースト状の食材をノズルから押し出して積層する方式で基本的に樹脂用3Dプリンターと同じ仕組みです。
実際に導入を検討しているお菓子業者もあり、家庭にあったらかなり楽しくなりそうですが、大きさや費用面などを考えるとまだまだ難しそうです。
どんな材料で何を作りたいのか考えましょう
このように3Dプリンターには様々な材料を使うことができます。ここにあげていない材料も多くあり、実際にプリンターを購入する際は、何の素材を使って何を作りたいのか、考慮した上で購入してください。
よくある質問
Q1
フルカラーの模型を作るなら、色を表現できる材料だけで選んでよいですか?
A
色だけでなく、模型をどう扱うかも確認しましょう。色見本として飾るだけなら見た目を優先できますが、営業が持ち歩く模型では欠けやすい細部の扱いも重要です。輸送中の保護方法も材料選定に含めます。例えば、フルカラーに対応する石膏系の材料は色の再現に向きますが、細い部分がある模型や、頻繁に手に取る模型では強度にも注意が必要です。
展示用か、持ち運んで使う模型かを決め、候補材料で色と壊れやすい部分の仕上がりを確かめると選びやすくなります。
Q2
自動車部品や家電の試作は、製品と同じ樹脂名の材料を選べば評価できますか?
A
形状や組み付けの確認には役立ちますが、樹脂名が同じでも製品と同じ性能になるとは限りません。材料の種類に加え、造形方式や作り方によっても仕上がりが変わるためです。まず、試作で何を確かめたいかを分けて考えます。たとえば同じ『ナイロン』でも射出成形品と粉末焼結品では、表面の状態や内部の構造が異なります。材料名ではなく評価目的を先に示す必要があります。
・外観:色や表面の見え方を確認します。
・寸法:相手の部品と組み合わせて確かめます。
・強度:力がかかる箇所は実際の使用条件で試します。
・耐熱:熱が加わる部品は使用温度での変形を確認します。
Q3
ゴムのように柔らかい部品は、材料の硬さだけで選んでよいですか?
A
硬さは一つの目安ですが、用途によって確認したい点は異なります。繰り返し握る部品なら、最初の感触だけでなく汚れの付き方や形の戻りも評価します。薬品で清掃する場合は、その液体との適合も必要です。滑り止めなら接触する面での滑りにくさ、握る部分なら表面の手触りや形の戻り方も大切です。
まず用途に合う柔らかさを絞り、実際に使う形状で触り心地や変形の仕方を比べると、材料名だけで選ぶより判断しやすくなります。
Q4
ジュエリーのロストワックス鋳造には、一般的な造形用樹脂を使えますか?
A
一般的な造形用樹脂をそのまま鋳造用の原型に使えるとは限りません。原型の燃焼時に残渣が残ると鋳物の表面不良につながります。造形の精細さと鋳造工程への適合を、別の条件として確認します。鋳造では原型を焼いて取り除くため、その工程に対応したワックス系材料や鋳造用樹脂が必要です。
まず、候補機が鋳造用材料に対応するか、使う鋳型材や焼成工程に適合するかを確認し、細部のある原型で仕上がりを試すとよいでしょう。
Q5
対応材料に「ナイロン」とあれば、使いたいナイロン製品も使えますか?
A
材料名が一致するだけでは判断できません。同じ材料名でも、粉末・フィラメント・液状樹脂は別物です。材料の形態が機種の供給方式に合うかも確認します。ナイロンには種類があり、機種ごとに対応する材料製品や造形条件が異なります。
候補機の対応材料一覧で製品名まで確認し、希望する材料が載っていない場合は、必要な強度や仕上がりを満たす代替材料があるかを比べてください。
Q6
試作で問題がなければ、同じ材料を最終製品にも使えますか?
A
形や組み付けが確認できても、そのまま最終製品への採用は決められません。試作中に色や形が合っても、日常の洗浄や日光にさらされる完成品では劣化条件が加わります。用途によっては安全規格も別途確認します。継続して使う部品では、かかる力や温度、繰り返しの使用による変化も確認が必要です。
実際の使用条件と必要な使用期間を整理し、候補材料で作った部品をその条件で評価してから判断するとよいでしょう。