公開日:|更新日:
アルテック株式会社から販売されている大型業務用3DプリンターMassivit(マシビット)シリーズを紹介します。Massivit1800、Massivit1800 Pro、Massivit1500について、特徴やスペックを掲載!大型立体広告を検討している事業者向きですので、参考にしてみてください。
アルテック株式会社(販売代理店)が販売しているMassivit1800、Massivit1800 Pro、Massivit1500の大きな特徴は、一般的な3Dプリンターでは実現できないサイズの造形に対応している点です。
一般的な3Dプリンターは、300mmや400mmを上限としたコンパクトなタイプが多く、1m前後の造形は難しい状況でした。一方でMassivit1800、Massivit1800 Pro、Massivit1500は、最大造形サイズ1170x1450x1800mmと極めて大きな製品の製造を実現可能にしています。
大型製品の加工を行ううえでネックとなるのは、生産時間です。1つの製品にかかる生産時間が長いほど効率が下がるだけでなく、電気使用量も増えます。
その点、Massivit1800、Massivit1800 Pro、Massivit1500は生産コストも考慮されており、1時間あたり約35cm(高さ)もの速度を実現しました。XY方向で1m前後の大きな面積を造形する仕様で、1時間辺り35cmの造形速度は高速といえるでしょう。
Massivitシリーズは、光造形(UV硬化)を実装しています。光造形方式とは、液状の樹脂に紫外線(UV)を照射することで、硬化させる技術です。1980年代から日本でも、さまざまな製造現場で用いられてきた技術で広く普及しています。
光造形方式のメリットは、細かな形状も再現できる微細加工に優れている点です。ただし、太陽光などによって劣化しやすいデメリットもあるため、製品の用途も考慮する必要があります。
Massivitシリーズの特徴として、デュアルプリント機能があります。通常、3Dプリンターのヘッドユニットは1つですが、Massivitシリーズは2つのヘッドユニットで造形を行える仕組みとなっています。
メリットは造形の同時加工ができること。通常の3Dプリンターは1つの製品を加工するのみですが、Massivitシリーズの場合はヘッドユニットの数に応じて複数の製品を同時に加工できます。
Massivit1800 Proの初期ヘッド数は2、Massivit1800、Massivit1500の初期ヘッド数は1ですが、オプションでヘッドユニット増設可能なので、生産効率にシビアな企業はヘッドユニット増設がおすすめです。
Massivit1800、Massivit1800 Pro、Massivit1500は、大型の立体広告やディスプレイなどに向いています。また、店頭看板製作など1m前後の広告が必要な場合に役立つでしょう。
大型の立体広告自体は3Dプリンターを用いなくても製作できますが、コストと時間が掛かる点がネック。Massivitシリーズであれば、事前に設計した3Dモデルを入力することで自動運転・加工します。少なくとも人材コストを抑えられるという点では、導入するメリットがあるのではないでしょうか。
ただし、カラー造形には対応していないため、彩色は別途行う必要があります。彩色以外の後処理工程(組み立てや補強、研磨など)も必要になるため、光造形方式に詳しいスタッフがいたほうが心強いでしょう。
大型立体広告だけでなく芸術作品など、クリエイティブな現場にも向いています。Massivit1800、Massivit1800 Pro、Massivit1500は、光造形方式なので表面加工を滑らかに仕上げることができるのが特徴です。
※この機種は販売終了しています。2022年12月調査時点
Massivitシリーズの導入実績についてご紹介します。
具体的な導入実績ははっきりしていませんが、海外を中心に芸術作品や立体広告などで用いられています。また、映画のキャンペーン用に使用される立体広告にも、Massivit1800やMassivit1500が導入されているのが特徴です。
会社名 | アルテック株式会社(販売代理店) |
---|---|
所在地 | 東京都中央区入船2-1-1 住友入船ビル2F |
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
---|---|---|---|---|
アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。