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3Dプリンターでの人工骨造形

500万円未満の高性能な業務用3Dプリンター特集

3Dプリンターで人工骨造形が期待されている背景

医師イメージ

現在、整形外科手術や頭頸部手術などにおいて、骨の欠損に関する治療を行う際には人工骨が多く使用されています。

このような治療を行う場合に使用される人工骨は、ブロックや顆粒、セメントといったようにさまざまなタイプのものが販売されており、それぞれに特徴があります。例えば顆粒型の場合は骨置換性(生体骨への置換が促される性質)に優れているものの強度が低いという課題があります。また、セメント型は骨置換性では劣るものの、変形が自由であるとともに強度が高いといった特徴を持っています。

このように人工骨のタイプによってさまざまな特徴があることから対象となる部位によって使い分けが必要となるものの、フレキシブルな対応は難しいとされてきました。こういった背景から、3Dプリンターを使った人工骨の造形が注目を集めている状況です。

3Dプリンターで人工骨造形を行うメリット

メリットイメージ

3Dプリンターの特徴として、「オーダーメイド品や小ロット品との相性が良い」という点が挙げられます。造形の自由度が高く複雑な形状にも対応できるため、3Dプリンターを使用した人工骨造形を行った場合にはそれぞれの患者に合わせたオーダーメイドの人工骨が製作できるといった点がメリットといえるでしょう。

さらに、3Dプリンターは必要な時にすぐに製作ができるといった点もメリットです。もし外注した場合には、打ち合わせ、製造、配送といったように各段階で時間がかかりますが、3Dプリンターを使用した場合には欲しい時に手に入るといった面もあります。

3Dプリンターで人工骨造形を作る問題点と課題

問題と課題イメージ

ここまでご紹介してきた通り、3Dプリンターによる人工骨造形が注目されている状態となっていますが、これまで使用されてきた材料の場合、その素材の特性から骨置換性がないという面がありました。この点から、治療後は体の中に残り続けるため、金属アレルギーなどの副作用について懸念されてきました。

またそのほかの素材で作成された人工骨においても、後処理工程が必要といった点や強度の問題、骨置換性が乏しいなどの課題がありました。このような点から、骨置換性を持ち、さらに高い強度を持つ人工骨の造形について研究が進められてきたということになります。

3Dプリンターで人工骨造形を行った活用事例

活用事例イメージ

3Dプリンターを使用した人工骨造形については、2018年に理化学研究所により、高い強度と骨置換性を持つ人工骨製造の手法を開発したことが発表されています。この手法はインクジェット装置により粉末材料に結合剤を塗布し、固着させて積層する3DプリンターであるBJ(Binder Jetting)方式をベースとしており、リン酸カルシウムの粉末層にカルシウムと効果反応するインクを塗布することにより造形を行います。こちらの方法で造形された人工骨は、3Dプリントしてすぐに使える点に加え、高い強度と骨置換性を持っているという点がメリットとなっています。

また人工骨そのものの造形というわけではありませんが、整形外科分野における人工関節再置換術でも3Dプリンターが活用されています。手術を行う前に3Dプリンターを使って患者の骨の状態を実物大の立体的な模型で再現することによって骨の形状を把握でき、手術計画を立てやすくなります。さらに実物大骨モデルを使って手術の予行演習を行える、患者への手術説明もスムーズに行えるといったメリットが得られます。また、この実物大骨モデルは樹脂ではなく石膏で造形することによって、骨の薄い部分など細かい部分の再現性も高くなるなどのメリットが得られます。

3Dプリンターで人工骨造形する際によくある質問

よくある質問イメージ

3Dプリンタで人工骨を造形する際にはどのような準備が必要ですか?

3Dプリンターで造形を行う場合にはまず3Dデータが必要となります。3DCADや3DCGといったソフトでのデザインを行います。さらに、専用ソフトにより3Dプリンタで読み込み可能なデータに変換を行います。

3Dプリンターを運用する際のコストは?

機器の購入費用に加えて、3Dプリントを行う際の材料代、プリンターを稼働させるための電気代などが必要となります。また、安定して稼働させるためには保守費用についても考慮に入れておくことが必要といえるでしょう。

3Dプリンターイメージ
500万円未満の高性能な3Dプリンター特集をチェック
       
3Dプリンターイメージ
           

近年の製造品の精緻化に伴い、500万円未満であっても、ハイエンドモデルに匹敵するような性能を備えたミドルクラスの3Dプリンターが、続々登場しています。
ここでは、500万円未満でありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。

       

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500万円未満の
高性能な業務用3Dプリンター特集

近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。

ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細高強度短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。

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製品名 積層ピッチ 最大造形サイズ
(W×D×H)
造形方式 材料などの特徴
アジリスタ
[キーエンス]

アジリスタ[キーエンス]の製品

引用元:キーエンス公式HP
https://www.keyence.co.jp/products/3d-printers/3d-printers/

公式HPで
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0.015mm~ 297mm×210mm×200mm インクジェット方式

アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。

使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。

樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。

Mark Two
[Markforged]

Mark Twoの製品画像

引用元:Markforged公式HP:
https://markforged.com/jp/3d-printers

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0.1mm~0.2mm 350mm×132mmx154mm 熱溶解積層方式+
連続フィラメント方式

Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。

これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。

これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。

G-ZERO
[グーデンベルグ]

G-ZEROの製品

引用元:PR TIMES公式HP:GUTENBERG社製 プロフェッショナル3Dプリンター G-ZEROの販売開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000057289.html

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0.05〜0.250mm 250mmx210mmx200mm 熱溶解積層方式

G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます

短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。

高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。

■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。