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3D CGデータや3D-CADデータを元に、材料を一層ずつ積層して造形物を作っていく3Dプリンターには複数の造形方式があります。 製造業界では様々な造形方式の3Dプリンターが利用されていますが、3Dプリンターを選定する時には、製造したいものや製造物の品質に合わせて適切な造形方式のものを選ぶ必要があります。
こちらでは500万円以上のおすすめ業務用3Dプリンターを造形方式別に紹介します。編集部独自の視点から、500万円以上かつ公式HP(販売代理店公式HP含む)に用途が明記されている主な製品を紹介していますので、参考にしてみてください。
3Dプリンターの造形方式(このページで紹介している製品の方式)
固形材料を熱で溶かしソフトクリームのように積み重ねることで造形を行います。樹脂を使用できるのでコスパが良いですが、仕上がりや精度は他の方式に比べ粗めです。
ナイロンにカーボンを加えて強化した「ONYX」を中心に他に類を見ない高性能材料に対応。高い強靭性、強度、耐熱性、安定性、復元力で治具やエンドパーツの造形におすすめです。
<X5>
<X7>
多くの世界シェアを持つアメリカStratasysのFDM方式3Dプリンター。高い耐熱性と耐久性を持つ高性能モデルで試作品から最終製品まで製作できます。
※FORTUS 380mcの情報は2022年12月時点で公式サイトで確認できませんでした。
現在は販売が終了している可能性がございますので、詳細はメーカーや販売会社にお問い合わせください。
<FORTUS 380mc>
<FORTUS 450mc>
一般的な3Dプリンターよりサイズが大きく大型部品製造にも対応可能。航空機用内装部品、金型部品、自動車部品など大型工業用樹脂製品に向いています。
紫外線で硬化する液体樹脂を使いレーザーを照射しながら造形していきます。造形精度が高く微細な形状も表現できます。
20種類以上の樹脂が使用できるため精細なデザインが要求されるジュエリー製作や歯科医療の現場、精密部品製造に向いています。
9種類の素材を使用でき、表面の状態や精度を維持しながら高速加工できる独自技術3SPによって複雑形状にも対応。大型造形や自動車部品など工業用製品の製造に向いています。
ATOMm-4000はハイエンドマシンながらリーズナブルな光造形ができます。ATOMm-8000は造形エリアが広いので大型モデルも一体造形が可能です。
<ATOMm-4000>
<ATOMm-8000>
一般的な3Dプリンターでは実現できないような大型造形ができ、1時間辺り35cmと高速造形を実現。大型の立体広告やディスプレイ製作などに向いています。
<Massivit1800/1800pro>
<Massivit1500>
※この機種は販売終了しています。2022年12月調査時点
液状の紫外線硬化樹脂をヘッドから噴射させて紫外線を照射しながら造形していきます。精度が高く細かな造形ができます。
表面が滑らかに仕上がるのでシャープなエッジを表現可能。さまざまなビジネスに対応でき、高い精度とコストパフォーマンスを実現しています。
<ProJet MJP3600>
<ProJet MJP3600 Max>
コンパクトサイズでオフィスに設置可能な産業用3Dプリンター。手のひらより大きいサイズの造形にも対応、試作パーツの成形におすすめです。
<ProJet2500 Plus>
<ProJet2500W>
パウダー状の熱可塑性樹脂を噴射して造形を行っていくHPの独自の造形技術。温度管理とレイヤーごとの造形コントロールで高品質な造形ができます。
速い造形スピードと稼働時間引上げにより大幅に生産性が向上、温度管理とレイヤーごとの造形コントロールで高品質な造形が可能です。
※下記の2製品の情報は2022年12月時点で公式サイトで確認できませんでした。
現在は販売が終了している可能性がございますので、詳細はメーカーや販売会社にお問い合わせください。
<HP Jet Fusion 4200 3Dプリンティングソリューション>
<HP Jet Fusion 580/540 3Dプリンティングソリューション>
液状の紫外線硬化樹脂をヘッドから噴射させて紫外線を照射しながら造形していきます。耐久性の高い造形物を作ることができます。
粉末の金属をレーザーで溶融、1層ずつ固めて造形する金属3Dプリンター。高い精度・解像度、表面品質にも優れ、試作品から最終製品まで生産可能です。
<EOS M 290>
<EOS M 400-4>
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
---|---|---|---|---|
アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。