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ムトーエンジニアリングから発売されている3Dプリンター、Value3D MagiX「MF-1100」について、商品特徴を紹介します。なお現在、Value3D MagiX「MF-1100」の販売は終了しています。そのため同シリーズのValue3D MagiX「MF-800」の情報も掲載中です。
Value3D MagiXは日本製の熱溶解積層(FDM)方式3Dプリンターです。付属しているソフトウェアも全て日本語対応なので、取扱いも簡単で安心。シリーズにはシングルヘッドのMF-1100とデュアルヘッドのMF-2200Dなどをラインナップしています。Value3D MagiXは従来のデスクトップ3Dプリンターのフレーム剛性が低くプリント精度に影響が感じられていました。この不安を解消するためValue3D MagiXのフレーム剛性を高めるため、機体を高体制ボディとZ軸両持ちテーブルの組み合わせで実現。美しい造形をより早く目指せるようになっています。
Value3D MagiXは造形エリアを一定の温度に保つヒーター付きテーブルで、造形物の収縮や反りを抑えることができます。また造形物の仕上がりを左右するヒーターヘッドも吐出する樹脂の太さが安定しバリや返しが出ない高精度なオリジナルヒーターヘッドを採用。従来品よりも1.2倍での造形速度を実現し、スピードアップができます。さらに出力された造形物を適切に冷却できるダブル冷却ファンを搭載。素早く造形物を冷却することで硬化し、安定した造形をすることができます。
プラスティックを使う積層型のプリンターは、プリント中の液だれを防ぐためにかなりのサポート材を必要とします。そのため、フィギアなど細かいデザインのものをプリントした場合、剥がすのが大変になる上に、剥がすときに壊れてしまったり形が悪くなったりすることがあります。Value3D MagiXには冷却ファンが2つもついていますから、液だれする前に造形物を素早く冷却して硬化させるという特徴があります。
優れた冷却力によって液だれを防ぐことでサポート材を減らせるということは、フィギアのようなディテールが細かいものや中空構造のモデルであっても、より手軽な出力と積層を実現してくれるのです。
3Dプリンターは内部構造がむき出しになっているのが一般的で、そのためプリント中の温度管理が難しく、積層が歪んでしまうことも少なくありません。温度を安定させるためには、プリンターを全方位で囲んでしまうのが良いのですが、3Dプリンターの囲いに関して特許を取っている会社があるため、むき出しのデザインしか作れません。
しかし、Value3D MagiXではオリジナルの観音扉をつけることで、コントロールが難しい内部の温度管理を可能にしています。プリント中は、前面に付けられている扉を占めるだけで温度の安定性が大きく変わります。
もちろんValue3D MagiXのオリジナルですし、全方位を囲むデザインではないので、特許に抵触することはありません。
Value3D MagiXは外観確認や簡易試作、教育機関など、多方面で活躍している3Dプリンターです。造形エリアが広いため大きな造形物の製作もできますし、未使用ヘッドを造形中のモデルにぶつけないようにコントロールする機能も備わっているので、キレイで繊細な造形物を造りだせます。
Value3D MagiXを導入している企業の一例として株式会社タカギや有限会社コバックがあります。株式会社タカギではMF-1100を20台導入し、各部門で多用途に活用しています。アイディアを気軽に試作できるため、試作品製作のコストや時間が削減できたそう。教材備品や立体模型を製造する有限会社コバックではMF-1100を6台稼働。複雑な形状の製品や部品も必要に応じてすぐに製造ができるため、短時間でサンプル作りができるようになり重宝しています。
道路や都市開発計画などの事業を手がける株式会社コトブキエンジニアリングでは、プレゼンテーションにおいて完成後のイメージをより明確にするために、他社よりも低コストで十分な造形を作成できるValue3D MagiX MF-2200Dを導入。図面で見るよりも造形されたものを見せることで、シンプルな情報伝達が可能になっただけではなく、イメージが明確化することでプレゼンも簡潔かつスムーズに済ませられるように。
また、遊び心がある立体模型はとても喜ばれるというところも導入したメリットになっているようです。
東京都立産業技術高等学校では、アクティブ・ラーニングや卒業研究のために、今まで使用していた海外製品からValue3D MagiX MF-2000への買い替えを実行。
不安定で使いづらかった3Dプリンタを安定かつ頑丈なValue3D MagiXに買い換えることで、生徒が自分たちで3Dプリンタを操作して出力したり、研究や実験などで主体的に活用できるように。
また、中学生向けに3Dトリックアートなどの作品を作ることもあるそうです。設計の自由度が高く、発想も手軽に具現化できることで、生徒の好奇心を満たしながら新たな才能の開花にも役立てています。
豊富な3Dプリンタを揃えているので、試作品やフィギュア、建築見本など必要な用途に合わせた出力サービスを行っています。
フルカラー機能を搭載した高品質モデルのProJet 660Proは、商品の外観やスタイルをリアルに伝達出来るのが特徴です。ロゴやテキストラベル、注釈なども直接3Dプリントできるので、新製品のデザインレビューやフィギュアの出力に適しています。
UV硬化樹脂を材料に出力を行うProJet 3500HD Maxは、精細な造形が可能なので、機械や金型の部品など、精密さが求められる試作品の出力におすすめです。アクリルが材料ですがシャープな仕上がりを実現します。
高い強度を持つアクリルやゴムライクが材料となるProJet 5500Xは、柔らかい部品を作れるのが特徴です。部品の試作はもちろん、シリコン商品のプロトタイプにも適しています。
エンジニアリングプラスチックの造形を可能にしたValue3D MagiX MFシリーズは、大型の造形エリアを実現。2つのプリントヘッドで、片側をサポート材専用で使ったり2つのカラーで造形したり、異種材造形にも対応。治具や試作などあらゆる製品の形状確認に適した出力方法です。
会社名 | ムトーエンジニアリング |
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所在地 | 東京都世田谷区池尻3-1-3 |
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
---|---|---|---|---|
アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。