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その6.BMD方式
用途別3Dプリンター3選を
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この記事でわかること
- BMD方式の仕組みと、FDM方式をベースにしたDesktop Metal社独自の造形技術について
- 粉塵対策が不要でコスト削減が可能なメリットと、排気設備などのデメリット
- オフィス環境にも設置しやすい具体的な対応機種(Studio Systemシリーズ)の特徴
積層造形法の一つ、BMD方式について紹介。メリットやデメリットを調べました。
BMD方式とは
BMD(Bound Metal Deposition)方式とは、MIM(Metal Injection Molding)といわれる技術を応用した、Desktop Metal社が独自に開発した造形方式です。
従来の金属3Dプリンターは金属粉の粉塵対策などが必要なため、専用の部屋で作業するなど取り扱いが難しいとされてきましたが、BMD方式の場合、MIM工法における「金属粉末とバインダの混合」「金型製作」といった工程が不要となっています。
3Dプリンター本体は従来のFDM方式がベース
BMD方式を採用しているDesktop Metal社の「Studio System2」の3Dプリンター本体は、溶かしたABS樹脂やPLA樹脂をノズルから出力して積載していくFDM方式をベースとしており、比較的安価でありながら、従来の工法ではできなかった複雑な形状の造形を実現しています。
BMD方式のメリット
BMD方式は複数の工程カットに成功したDesktop Metal社の特許技術であり、納期の短縮やコスト削減が期待できます。
また、金属粉の粉塵対策や不活性化ガス使用における設備投資・専用スペースの確保も必要なく、より設置しやすいといったメリットも挙げられます。
BMD方式のデメリット
焼結の工程でガスを用いるため、継続利用におけるランニングコストがかかる他、有機溶剤使用に伴い、オフィス内に局所排気装置を設置することも事前に考慮する必要があります。
BMD方式の3Dプリンター
BMD方式はDesktop Metal社独自の技術となっており、この工法を採用しているのは同社のStudio Systemシリーズのみとなっています。
Studio System+
FDM方式をベースとした3Dプリンタ本体、脱脂処理に使用する専用溶剤を自動充填できるデバインダーステーション、焼却温度や時間を専用ソフトウェアが最適化するファーネスという、金属造形に至る過程を自動化する3つのシステムによって構成されています。
Studio System2
同じくBMD方式を採用していますが、材料の改良によってデバインドと焼結工程を統合することで、3Dプリンターとファーネスのみという2ステップ処理での金属造形を可能にした新機種です。
付属のFabricateソフトウェアによって全工程を自動化。操作が簡単で且つ冶金学者や機械工のような専門知識は不要となっています。
まとめ
オフィスでの設置に適したモデル
BMD方式を採用したStudio Systemシリーズは、金属パーツの多品種少量生産に向いているだけでなく、設置のための特別な投資が必要ないことから、トータルコストに優れているといえます。
また2ステップ処理を実現したStudio System2はよりコンパクトな設計のため、オフィスでの設置にも適しており、設置場所の確保に悩んでいる方にもおすすめの3Dプリンターといえるでしょう。
よくある質問
Q1
BMD方式は、粉末床の金属造形と何が違いますか?
A
金属粉末を樹脂などの結合材と一体化した材料で形を作り、その後に結合材の除去と焼結を行う方式です。造形直後の部品は完成品ではありません。焼結で収縮するため、最終寸法と必要な後加工を前提に設計します。粉末床で金属粉を敷き詰めて溶融する方式とは、材料の扱いと後工程が異なります。
『扱いやすい』という説明だけでなく、焼結後の収縮、寸法、必要設備を確認してください。
Q2
BMDで金属部品を内製すると、どの条件で費用と納期が改善しますか?
A
少量で設計変更が多く、外注の待ち時間が大きい場合は検討価値があります。金属の小物を繰り返し作る場合でも、焼結炉の一回あたりの容量と待ち時間が全体の納期を決めることがあります。ただし、造形後の脱脂・焼結・仕上げ・検査に時間と費用が必要です。代表部品の数量と必要精度を決め、外注、切削、BMDの完成までの総費用と納期を比べて判断します。
Q3
BMD装置をオフィスへ置けるかは、何で決まりますか?
A
プリンター本体だけでなく、脱脂・焼結設備、換気、電源、搬入経路、作業場所の条件で決まります。印刷装置を机上に置けても、焼結工程や材料の保管が同じ部屋で許されるとは限りません。設備一式で可否を見ます。『オフィス向け』の表示があっても、建物や社内の安全基準を満たす必要があります。
候補機の設置図と使用材料の資料を確認し、後工程まで含めて配置を検討してください。
Q4
BMDの運用では、溶剤やガスの設備が必ず必要ですか?
A
必要な設備は機種と後処理工程で異なります。脱脂方法により必要な安全対策が変わるため、『溶剤不要』など一機種の特徴をBMD全体の特徴として扱わないことが大切です。脱脂方法や焼結炉の仕様によって、換気、電源、ガス、廃棄物の管理条件が変わります。特定の機種の説明を方式全体に当てはめず、候補機の工程表と設置要件を確認してください。
Q5
金属造形の専門家がいなくても、BMDなら品質を管理できますか?
A
操作を支援するソフトがあっても、品質管理は必要です。寸法が合わないとき、造形時の誤差と焼結収縮を切り分けないと対策を誤ります。工程ごとの測定記録が重要です。焼結収縮、造形方向、形状による変形、仕上げ後の寸法を確認しなければなりません。担当者が代表部品の設計・造形・検査を一通り行い、再現できる手順を記録してから業務に使うと安心です。
Q6
BMD方式の機種を比較する際、名称より何を確認しますか?
A
対応材料、最大造形サイズ、焼結後の精度、必要な後工程、保守と材料供給を確認します。表記上の最大サイズより、焼結後に必要寸法へ収まるかが実務上の制約です。代表部品で完成寸法を確認します。製品構成は更新されるため、過去の記事にある機種名や工程数をそのまま前提にしない方がよいでしょう。作りたい部品で見積もりと完成サンプルを比較すると選びやすくなります。