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3Dプリンターで強度の高い造形物を作る方法とは

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この記事では、「3Dプリンターを使って強度の高い造形物を作りたい」と考えている方に向けた情報を紹介しています。物体の強度の種類や、3Dプリンターで高い強度を持つ造形物を作成するための方法や素材などについてまとめました。

3Dプリンターで強度の高い造形物は作れるのか?

3Dプリンターではさまざまな造形物を作成できますが、強度が足りないために作成を諦めているというケースがあるかもしれません。樹脂製の3Dプリンターの場合、従来工法と比較すると強度が低い傾向があるものの、造形方式や使用する素材を工夫することで強度を高められる場合もあります。

3Dプリンター造形における強度とは

3Dプリンター造形における強度の種類

物体の強度にはさまざまな種類があります。例えば「引っ張り力」や「圧縮力」「せん断力」などがありますが、全ての強度を満たした造形物を3Dプリンターで作成することは非常に難しいといえます。

さらに、強度は造形物の形状に左右されるという部分もあります、そのため、高い強度を実現するためには主な用途を満たしているサンプルデータを用いてテスト造形を行いつつ、機種の選定を行っていくことが必要と考えられます。

強度の低い箇所が生じる可能性

3Dプリンターによって造形を行う場合、基本的には積層を繰り返していく仕組みとなっているため、方式によっては強度の弱い部分ができてしまう可能性もあります。

例えば造形方式のひとつである「MEX方式」の場合、熱で溶かした樹脂をノズルから押し出し、ひと筆書きで一層ずつ重ねて造形を行います。1層目の冷えた樹脂の上に熱い状態の樹脂を造形する、という動きを繰り返しながら縦方向に積み上げるため、積み重なっている層の境界部分は樹脂のくっつきが弱くなります。すなわち、横方向と比較すると縦方向の方が「引っ張り力」が弱くなることになります。

このように、造形方式によっては物理的な特性が方向により異なる(=異方性)場合があるため、強度を重視する場合には造形方向に注意する必要があります。

造形物の強度を高める方法

設計データや造形方向の調整

「MEX方式」など、縦方向に積み上げてモデルを造形する場合には、どうしても横方向と比較すると縦方向の引っ張り強度が弱くなります。もし引っ張り強度を高めることが必要な部分がある場合には、あらかじめ積層方向を考慮しながら3Dデータを作るという方法もあります。モデルの使用目的に合わせた形で造形方向を調整することによって、引っ張り強度が弱くなってしまう部分の調整が可能となります。

ただし、実際には造形してみないとわからない部分もあるので、まずは方向が異なるパターンを数種類作成した上で比較してみることがおすすめです。

後加工による強化

造形を行った後に加工を施すことによって強化する方法もあります。3Dプリンターで造形を行う場合、よりきれいな仕上がりにするために塗装や研磨、コーティングなどが行われますが、例えば「ネジ加工」を行う場合にも後加工が行われます。

3Dプリンターでネジ穴を作成した場合、強度が足りないことから数回ネジを脱着しただけで欠けてしまうケースがあります。そのため、インサートやヘリサートといった後加工を行うことによって、ネジ穴の強度や耐久性を向上させ、ネジの脱着を繰り返した場合でも欠けてしまわないように強化することが可能となります。

ネジ加工におけるインサートやヘリサートは、後加工によって強度を上げるひとつの例ですが、このように3Dプリンターによる造形のみで強度を確保する以外にも、後加工を組み合わせることによって強度を高めるという選択肢も考えられます。

強度の高い3Dプリンターの材料

金属材料

強度の高い造形物を作る方法として、金属材料を使用する金属3Dプリンターを使用する方法があります。金属3Dプリンターで造形を行う場合、チタンやアルミニウム、ステンレスなどの素材を使用して造形を行います。金属3Dプリンターを使用した造形物における引っ張り強度や耐力などの機械的特性は、鋳造品や鍛造品と同等であるといわれています。

金属材料を使用する金属3Dプリンターは、樹脂を材料として造形を行う3Dプリンターよりも導入費用が高額になることが一般的です。しかし、強度に加えて硬度や耐熱性に優れた金属材料を使用した造形を行う場合には、金属3Dプリンターの使用を検討することが必要になります。

CFPR(炭素繊維強化プラスチック)

プラスチックを炭素繊維で強化した複合素材であるCFPR(炭素繊維強化プラスチック)を使用するのもひとつの方法です。CFPRは非常に軽量で引っ張り強度に優れた素材で、航空宇宙や電気自動車、風力発電など、さまざまな分野で用いられています。

CFPRを使用して3Dプリンターで造形を行う場合、一般的な3Dプリンターでは対応できないため、専用の3Dプリンターを使用する必要があります。

エンプラ、スーパーエンプラ

エンプラ(エンジニアリングプラスチック)とは工業用に開発された樹脂であり、高耐久性・高耐熱性を持つ高性能な樹脂のことを指しています。さらに、エンプラの中でも特に高性能なものを「スーパーエンプラ(スーパーエンジニアリングプラスチック)」と呼んでいますが、この素材は機械部品自動車部品など、さまざまな工業部品などに用いられています。

エンプラやスーパーエンプラに対応した3Dプリンターを使用することによって、それぞれの特徴に応じた強度を持つ造形物の作成が可能となります。

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近年の製造品の精緻化に伴い、500万円未満であっても、ハイエンドモデルに匹敵するような性能を備えたミドルクラスの3Dプリンターが、続々登場しています。
ここでは、500万円未満でありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。

       

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近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。

ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細高強度短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。

▼左右にスクロールできます▼
▼上下にスクロールできます
製品名 積層ピッチ 最大造形サイズ
(W×D×H)
造形方式 材料などの特徴
アジリスタ
[キーエンス]

アジリスタ[キーエンス]の製品

引用元:キーエンス公式HP
https://www.keyence.co.jp/products/3d-printers/3d-printers/

公式HPで
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0.015mm~ 297mm×210mm×200mm インクジェット方式

アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。

使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。

樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。

Mark Two
[Markforged]

Mark Twoの製品画像

引用元:Markforged公式HP:
https://markforged.com/jp/3d-printers

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0.1mm~0.2mm 350mm×132mmx154mm 熱溶解積層方式+
連続フィラメント方式

Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。

これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。

これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。

G-ZERO
[グーデンベルグ]

G-ZEROの製品

引用元:PR TIMES公式HP:GUTENBERG社製 プロフェッショナル3Dプリンター G-ZEROの販売開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000057289.html

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0.05〜0.250mm 250mmx210mmx200mm 熱溶解積層方式

G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます

短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。

高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。

■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。