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3Dプリンターを選ぶ時に、大きな物を作るなら造形サイズが大きい3Dプリンターが良いという人が多いですが、実際に造形をする時に造形サイズが大きいということは、あまり問題にはなりません。かえって大きな物を造形すると、歪んだり、そったり、高い精度が得られないこともあります。また時間もかかるので、造形途中でマシンエラーによって製造が止まる、思った通りの造形ができないということも起きます。大きい物を作る時には小さい構成パーツに分割して造形する方が高い精度を得られるということもあるので、業務用3Dプリンターを選ぶ時には用途に合わせて選ぶようにしましょう。
こちらでは500万円以上のおすすめ業務用3Dプリンターを造形サイズ別に紹介します。公式HP(販売代理店公式HP含む)に造形サイズ及び用途に関する記載のある主な製品を、編集部独自の視点で紹介していますので、参考にしてみてください。
20種類以上の樹脂が使用できるため精細なデザインが要求されるジュエリー製作や歯科医療の現場、精密部品製造に向いています。
コンパクトサイズでオフィスに設置可能な産業用3Dプリンター。手のひらより大きいサイズの造形にも対応、試作パーツの成形におすすめです。
<ProJet2500>
<ProJet2500W>
カーボンファイバー対応のデスクトップ型コンポジット積層3Dプリンター。Markforgedのデスクトップシリーズの中でも最小0.05mmの積層ピッチ、広いワークスペースを備える生産性重視の本格的な工業向け3Dプリンターです。
<X5>
<X7>
9種類の素材を使用でき、表面の状態や精度を維持しながら高速加工できる独自技術3SPによって複雑形状にも対応。大型造形や自動車部品など工業用製品の製造に向いています。
複合材料モードで樹脂を混ぜ合わせて120種類の材料が使用でき、デジタルマテリアル、マルチカラーに対応しているので、さまざまな場面で使用できます。
粉末の金属をレーザーで溶融、1層ずつ固めて造形する金属3Dプリンター。高い精度・解像度、表面品質にも優れ、試作品から最終製品まで生産可能です。
引用元:eos e-Manufcturing Solutions<https://www.eos.info/eos-m290>
速い造形スピードと稼働時間引上げにより大幅に生産性が向上、温度管理とレイヤーごとの造形コントロールで高品質な造形が可能です。
※この機種は販売終了しています。2022年12月調査時点
多くの世界シェアを持つアメリカStratasysのFDM方式3Dプリンター。高い耐熱性と耐久性を持つ高性能モデルで試作品から最終製品まで製作できます。
<FORTUS 380mc>
<FORTUS 450mc>
最小積層ピッチ50ミクロンの高精度な業務用大型3Dプリンター。反りの発生を防ぐ技術により大型サイズの造形が可能なので高い精度を必要とする医療分野や宇宙開発分野などで活躍しています。
水冷式エクストルーダーを採用することでスーパーエンプラ加工を長時間精度を落とさずに続けられる3Dプリンター。さまざまな試作品を大量に製造したいメーカー向きです。
ATOMm-4000はハイエンドマシンながらリーズナブルな光造形ができます。
粉末の金属をレーザーで溶融、1層ずつ固めて造形する金属3Dプリンター。高い精度・解像度、表面品質にも優れ、試作品から最終製品まで生産可能です。
ATOMm-8000は造形エリアが広いので大型モデルも一体造形が可能です。
<ATOMm-8000>
一般的な3Dプリンターよりサイズが大きく大型部品製造にも対応可能。航空機用内装部品、金型部品、自動車部品など大型工業用樹脂製品に向いています。
最小積層ピッチ50ミクロンの高精度な業務用大型3Dプリンター。反りの発生を防ぐ技術により大型サイズの造形が可能なので高い精度を必要とする医療分野や宇宙開発分野などで活躍しています。
※下記3つの製品の情報は2022年12月時点で公式サイトで確認できませんでした。現在は販売が終了している可能性がございますので、詳細はメーカーや販売会社にお問い合わせください。
<Jupiter(ジュピター)-I>
<Jupiter(ジュピター)-C>
<Jupiter(ジュピター)-G>
一般的な3Dプリンターでは実現できないような大型造形ができ、1時間辺り35cmと高速造形を実現。大型の立体広告やディスプレイ製作などに向いています。
<Massivit1800/1800pro>
<Massivit1500>
※この機種は販売終了しています。2022年12月調査時点
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
---|---|---|---|---|
アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。