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生産・製造向け
用途別3Dプリンター3選を
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この記事でわかること
- 3Dプリンター活用による試作品・治具製作の時間短縮と内製化のメリット
- ミドルクラスでも高精度な造形が可能になった最新の3Dプリンター事情
- 試作・治具製作におすすめの高精度3Dプリンター(価格帯別)
これまで、試作品や治具の制作は、外部に委託していたため時間がかかっていましたが、3Dプリンターを使用することにより、必要なものを必要なタイミングで造形することが可能になりました。
近年、製造品自体が高精度なものが増えてきており、試作品や治具にも精度が求められる傾向にありますが、3Dプリンターも発展を遂げ、ミドルクラスの価格帯であっても、高精度の造形が可能な製品が続々と登場しています。高精度な試作品や治具を短期間で制作できるようになったことで、開発や製造自体の期間も短縮できるように変化してきています。
ここでは治具や試作品製造に向いた3Dプリンターを、ミドルクラス(500万円未満)とハイクラス(500万円以上)に分けて紹介します。公式HP(代理店公式HP含む)に試作品または治具造形が用途として明記され、かつ積層ピッチが0.05mm以下の高精度造形が可能な製品を、編集チーム独自の視点でまとめました。
【ミドルクラス】生産・製造向きのおすすめ3Dプリンター
アジリスタ[キーエンス]
積層ピッチ0.015mmで表面の段差が少なく、インクジェット方式を採用して高精細造形を実現しています。ネジ締めでも割れない高靱性もあり、さらに水溶性のサポート材を採用し、手間をかけず製作ができます。
製品スペック
- 造形サイズ:297×210×200mm
- 本体寸法:944×700×1360mm
- 重量:188kg
- 積層ピッチ:100μm
- 造形方式/材料押出堆積法/FDM
- 対応素材(材料):ONYX、ナイロン、繊維材料、炭素繊維、ファイバーグラス、強度高耐熱ファイバーグラス、ケブラー
MUTOH Value3D MagiX MF-2200D[MUTOH]
300mm四方の大型機でありながら、造形物の収縮・反りを抑制するヒーター付き成形テーブルなど、高精度な造形を実現するための機能を備えています。また2つのヘッドを搭載し、2色造型や異なる材料の造形もできます。
製品スペック
- 造形サイズ:300×300×300mm
- 本体寸法:705×680×680mm
- 重量:約57kg
- 積層ピッチ:0.05~0.5mm
- 造形方式:材料押出堆積法(熱溶解積層方式)
- 対応素材(材料):ABS/PLA/PVA 他
Raise 3D[Raise 3D]
低価格ながら高精度で、多種多様な材料に対応。積層ピッチが0.01mmと非常に細かく、様々な製作を可能にします。可動式デュアルヘッド、タッチパネルで使いやすさも追及し、試作のスピードも向上させます。
製品スペック
<Raise3D Pro2シリーズ>
- 造形サイズ:Pro2 305×305×300mm、Pro2 Plus 305×305×605mm
- 本体寸法:Pro2:616W x 590D x 760H mm/Pro2 Plus:616W x 590D x 1112H mm
- 重量:Pro2:44kg/Pro2 Plus:52kg
- 積層ピッチ:0.01~0.65mm
- 造形方式:FFF (Fused Filament Fabrication) 方式
- 対応素材(材料):PLA、ABS、PP、竹(60%)+PLA、改良ABS、強化PLA、PVB、PP-GW、強化PET、PC、リサイクルPET、PET、ASA、PA6/66、TPU95A、TPU85A、TPE75A、TPE60A、TPE60D、CF+PET、CF+PA、FDA認証PLA、FDA認証、TPU、PVA、HIPS、BVOH、改良PLA
<Raise3D ES>
- 造形サイズ:シングルヘッド330×240×240mm、デュアルヘッド295×240×240mm
- 本体寸法:W607xD596xH465 mm
- 重量:30kg
- 積層ピッチ:0.02~0.65mm
- 造形方式:FFF (Fused Filament Fabrication) 方式
- 対応素材(材料):PLA、ABS、PP、改良ABS、強化PLA、PVB、強化PET、PC、リサイクルPET、PET、ASA、PA6/66、TPU95A、TPU85A、TPE75A、TPE60A、TPE60D、FDA認証PLA、FDA認証、TPU、PVA、HIPS、BVOH、改良PLA
Bellulo[システムクリエイト]
カスタマイズ性が高く優れた加工性のある3Dプリンター。幅広いニーズに応えられるように、さまざまなサイズが用意されています。
製品スペック
<Bellulo 200>
- 造形サイズ:200×200×200mm
- 本体寸法:370×365×451mm
- 重量:約19kg
- 積層ピッチ:0.05~0.3mm
- 造形方式:熱融解方式(FDM)
- 対応素材(材料):国産フィラメント(ABS/PLA)、PolyLite PLA、PolyMax PLA(ABSライクPLA)、PolyMax PC、PolyMide CoPA(ナイロン)、PolyFlex TPU95(軟質エラストマー系)ほか
<Bellulo 400>
- 造形サイズ:400×400×400mm
- 本体寸法:610×605×661mm
- 重量:約60kg
- 積層ピッチ:0.05~0.4mm
- 造形方式:熱融解方式(FDM)
- 対応素材(材料):国産フィラメント(ABS/PLA)、PolyLite PLA、PolyMax PLA(ABSライクPLA)、PolyMax PC、PolyMide CoPA(ナイロン)、PolyFlex TPU95(軟質エラストマー系)ほか
【ハイクラス】生産・製造向きのおすすめ3Dプリンター
INDUSTRIALシリーズ X5/X7[Markforged]
カーボンファイバー対応のデスクトップ型コンポジット積層3Dプリンターです。積層ピッチ0.05mmで広いワークスペースを持った本格的産業用。試作品から最終製品まで幅広く対応可能です。
製品スペック
- 造形サイズ:330mmx270mmx200mm
- 本体寸法:575mmx467mmx928mm
- 重量:22.6kg
- 積層ピッチ:0.05mm
- 造形方式:材料押出堆積法/FDM
- 対応素材(材料):オニキス、ファイバーグラス、HSHTファイバーグラス、ケブラーカーボンファイバー
FUNMAT[INTAMSYS]
大型造形も可能、熱収縮などで歪みやすいスーパーエンプラにも対応する多機能型3Dプリンター。医療分野や研究開発での試作品製作に向いています。
製品スペック
<FUNMAT HT>
- 造形サイズ:260×260×260mm
- 本体寸法:530×490×645mm
- 重量:46kg
- 積層ピッチ:0.05-0.3mm
- 造形方式:FFF(溶融フィラメント造形法)
- 対応素材(材料):PEEK、 PEI(ULTEM) 、PPSU、PA(NYL)、PC 、ABS 、Carbon Fiber‐Filled、PETG、PLA
<FUNMAT PRO>
- 造形サイズ:450×450×600mm
- 本体寸法:1210×1120×1850mm
- 重量:600kg
- 積層ピッチ:0.05-0.5mm
- 造形方式:FFF(溶融フィラメント造形法)
- 対応素材(材料):PA(NYL)、PC、ABS、Carbon Fiber-Filled、PETG、PLA、PolyMAX、Polylite、PC-MAX、ETC
よくある質問
Q1
製造ラインの治具を3Dプリントに置き換える前に、効果と適性をどう見極めますか?
A
置き換え候補を一つ選び、現在の製作待ち時間、作業時間、製品への傷、段取り替えの回数を記録します。治具の価値は単価だけでは測れません。例えば段取り替えに毎回かかる時間や、作業者が持つ重量まで見ると、樹脂化が有効な工程を絞れます。
次に、造形費だけでなく設計・後処理・交換頻度も含めて比較し、限定した工程で試用してください。導入前後で同じ指標を測れば、納期短縮や作業負担の変化を判断できます。効果が確認できた治具から対象を広げます。
Q2
金属治具を樹脂製に置き換えられるか、どの条件で判断しますか?
A
荷重とその向き、たわみの許容範囲、使用温度、接触面の摩耗、薬品、必要な使用回数を確認して判断します。作業者が手で持つ治具と、機械で強く締め付ける治具では、優先する性能が異なります。保持力だけでなく、繰り返し使った後の摩耗や寸法変化まで見る必要があります。
材料の仕様をこれらの条件と照合し、ねじ部やクランプ面など負荷が集中する箇所は個別に評価してください。候補材料で試作品を作り、実際のワークを使って保持力・変形・摩耗を確認します。局所的な負荷が問題になる場合は、金属部品を組み合わせる設計も検討します。
Q3
可動部のある治具を、組み立てずに一体造形できますか?
A
方式や形状によっては一体造形できます。ただし、可動部の隙間は機種・材料・形状・造形方向で変わるため、共通寸法だけで設計することはできません。一体造形は組立工数を減らせますが、破損時に可動部だけを交換できない場合もあります。使用回数が多い箇所は、分割して交換できる設計との比較も有効です。
まず機種の推奨条件を基に、隙間を変えた試作を複数作ります。サポート除去後に動作、固着、強度を確認し、実際の荷重や動作回数に合う寸法を採用してください。
Q4
電子部品の組み立てラインで使う治具は、ESD対策品ならどの材料でも使えますか?
A
「ESD対応」という表示だけでは判断できません。現場で求められる規格、測定方法、表面抵抗・体積抵抗のどちらが必要かを確認し、材料メーカーの仕様と照合します。表面を拭く洗浄剤や作業中の摩耗で電気特性が変わることもあります。初期状態だけでなく、日常の清掃後にも要件を満たすかを見ると安心です。
治具のどの面が部品に触れるか、接地が必要かも整理してください。採用前に治具の実物を使い、現場の測定条件で要件を満たすことを確認します。
Q5
切削油や洗浄液が付着するラインで使う治具は、材料表の耐薬品性だけで選べますか?
A
材料表だけでは実際の使用可否を決められません。液体の種類・濃度・温度・接触時間に加え、荷重や清掃方法で劣化のしかたが変わります。薬品に浸す工程と、飛沫が短時間付く工程では要求が違います。実液に触れる接触面を明確にし、劣化が起きたときに製品へ付着物が移らないかも確認します。
使用する液体と条件を整理し、材料の適合情報と照合してください。必要であれば材料片または治具の試作品を実液にさらし、寸法・外観・強度の変化を確認してからラインへ導入します。