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その5.粉末固着(接着)方式
用途別3Dプリンター3選を
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この記事でわかること
- 粉末固着(接着)方式の仕組みと、石膏などの粉末を用いたフルカラー造形の特徴
- 圧倒的な造形スピードと、材料費の安さによるランニングコストの低さ
- 強度の低さ(壊れやすさ)や、粉末処理が必要な環境整備といったデメリット
積層造形法の一種である粉末固着(接着)方式について紹介。メリットやデメリットを調査しました。
粉末固着(接着)方式とは
粉末固着方式は、材料の粉末と接着剤を交互に吹き付けて積層する方式です。造形テーブルに材料となる粉末を薄く敷き、プリンタヘッドから出される液体接着剤を塗布して固め、これを繰り返すことで造形物を作成します。
造形が終わると未硬化の粉末の中に造形物が埋まっている状態となるため、取り出して余分な粉末を除去。仕上げに硬化用の液体に浸して強度を上げ、完成です。
粉末材料に色を付けることにより、フルカラーでの印刷が可能となっているモデルが多いことも特徴です。
材料は主に石膏ですが、砂糖の粉末やプラスチックの粉末を使用できる機種も販売されています。
粉末固着(接着)方式のメリット
フルカラー造形が可能
CMYKインクで接着剤に色を付けることでフルカラーの造形物を作ることが可能です。デザインの確認やフィギュア・建築モデルの製作など、色の表現が重要な造形物をプリントするのに向いた方式です。
造形スピードが他の方式の3~5倍
粉末固着方式は、造形スピードの速さも魅力。他の方式と比べて3~5倍の速さを誇っており、サイズの大きい造形物でも短納期で製作することができます。また、サポート材が不要のため後処理も容易です。
ランニングコストが安価
主に使用される材料が粉末の石膏であるため、ランニングコストが安いこともメリットのひとつ。1キロ500~1000円程度で購入できます。熱溶解積層方式でよく使用されるABS樹脂1キロ3000円程度と比べると、ランニングコストの安さが分かります。
粉末固着(接着)方式のデメリット
壊れやすい
粉末の材料を固めて作るため、粉末固着方式でプリントした造形物は脆く壊れやすいというデメリットがあります。造形後に仕上げの硬化剤を使用して強度を上げることもできますが、丈夫さより発色の良さを求められるものが向いています。
粉末の処理ができる環境が必要
造形物が粉末に埋もれた状態でプリントが完了するので、取り出して刷毛やエアーで余分な粉末を除去する必要があります。その際に粉が舞い上がっても問題がないよう環境を整えておかなければいけません。
造形精度が低い
粉末固着方式で作られた造形物は表面がざらざらしているため、他の方式と比べると造形精度は低め。厚さ1mm以下の構造はプリントできても後処理で壊れてしまう恐れもあります。
粉末固着(接着)方式の3Dプリンター
3D SYSTEMS 社の ProJet 260Cは、コンパクトな筐体が特徴的な3Dプリンター。パーツの強度が高く、耐熱性に優れています。EOS 社の FORMIGA Pは、表面品質が高く、微細な形状の再現性能が優れた製品です。
粉末固着(接着)方式の3Dプリンターまとめ
費用対効果が高い
接着剤に色をつけるだけでなく、フルカラーの造形物をつくることもでき、造形スピードが他の方式に比べて早い粉末固着方式の3Dプリンターは、ランニングコストが安いため、コストパフォーマンスが高い3Dプリンターと言えます。サイズの大きなものを作れるという点も見逃せないポイントです。
また、この方式以外の3Dプリンターもたくさんあるので、興味がある人はしっかりチェックしてから購入するようにしてください。
よくある質問
Q1
粉末固着方式の造形品は、取り出してすぐ実用品として使えますか?
A
材料によりますが、造形直後を完成品と考えるのは避けたいところです。粉末へ結合剤を与えて形を作るため、取り出し時の部品は壊れやすい場合があります。石膏系の模型では含浸や表面仕上げ、金属では脱脂・焼結など、用途と材料に応じた後工程が必要です。
自社で必要な強度と寸法を先に決め、どの後工程まで行った状態で仕様を満たすか確認します。造形時間に後処理と検査を加えて納期と費用を比較してください。
Q2
粉末固着方式なら、どの材料でもフルカラー造形できますか?
A
フルカラーに対応するのは一部の材料と装置です。石膏系の模型と金属部品では色の表現方法も強度も違います。『フルカラー対応』が必要な材料で使えるかを確認します。色を出せても、模型の強度や表面の質感は材料と含浸・仕上げに左右されます。展示用か手に取る模型かを決め、色と破損しやすい細部を同じサンプルで確認すると判断しやすくなります。
Q3
粉末固着方式では大型部品を安く速く作れますか?
A
造形時に一層をまとめて処理できる利点はありますが、完成までの時間と費用は材料、サイズ、後処理、数量で変わります。造形機内の処理が速くても、金属の焼結や模型の含浸を含めると完成までの日数が延びる場合があります。金属なら焼結など、模型なら含浸や仕上げが必要な場合があります。造形時間だけでなく完成品の納期と総費用を同じ条件で比較してください。
Q4
粉末固着方式の造形品を、強度が必要な部品へ使えますか?
A
材料と後処理によります。展示用模型は色や欠けにくさ、機械部品は荷重と寸法が優先です。同じ方式の事例でも完成品の評価基準は別になります。展示用の石膏系と焼結後の金属部品では求められる評価が異なります。使用時の荷重、寸法、表面、必要な耐久性を決め、候補材料の完成状態で試験します。造形直後の『固まった』状態だけで実用品として判断しないことが大切です。
Q5
サポートが不要なら、結合剤噴射の後処理も簡単ですか?
A
粉末が部品を支える方式では別の支持材を減らせますが、余分な粉末の除去が必要です。粉末が入り込んだ細い穴では、外側がきれいでも内部を使えないことがあります。清掃できる寸法と出口を設計に含めます。材料によっては含浸、焼結、仕上げも行います。内部に粉末が残る形状は排出口を設け、完成状態での寸法と表面を確認してください。
Q6
結合剤噴射機の設置では、粉末をどう扱うかまで確認すべきですか?
A
確認が必要です。金属粉と石膏粉では粉じん対策や廃棄方法が同じではありません。使う材料ごとの安全データを基準に作業環境を整えます。粉末の補給、造形品の取り出し、除粉、清掃で作業場所と集塵が必要になる場合があります。材料によって安全上の注意が異なるため、使用材料の取扱資料と装置の設置条件を確認し、作業者の動線と廃棄方法まで決めます。