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その5.粉末固着(接着)方式

500万円未満の高性能な業務用3Dプリンター特集

積層造形法の一種である粉末固着(接着)方式について紹介。メリットやデメリットを調査しました。

粉末固着(接着)方式とは

粉末固着方式は、材料の粉末と接着剤を交互に吹き付けて積層する方式です。造形テーブルに材料となる粉末を薄く敷き、プリンタヘッドから出される液体接着剤を塗布して固め、これを繰り返すことで造形物を作成します。

造形が終わると未硬化の粉末の中に造形物が埋まっている状態となるため、取り出して余分な粉末を除去。仕上げに硬化用の液体に浸して強度を上げ、完成です。

粉末材料に色を付けることにより、フルカラーでの印刷が可能となっているモデルが多いことも特徴です。
材料は主に石膏ですが、砂糖の粉末やプラスチックの粉末を使用できる機種も販売されています。

粉末固着(接着)方式のメリット

フルカラー造形が可能

CMYKインクで接着剤に色を付けることでフルカラーの造形物を作ることが可能です。デザインの確認やフィギュア・建築モデルの製作など、色の表現が重要な造形物をプリントするのに向いた方式です。

造形スピードが他の方式の3~5倍

粉末固着方式は、造形スピードの速さも魅力。他の方式と比べて3~5倍の速さを誇っており、サイズの大きい造形物でも短納期で製作することができます。また、サポート材が不要のため後処理も容易です。

ランニングコストが安価

主に使用される材料が粉末の石膏であるため、ランニングコストが安いこともメリットのひとつ。1キロ500~1000円程度で購入できます。熱溶解積層方式でよく使用されるABS樹脂1キロ3000円程度と比べると、ランニングコストの安さが分かります。

粉末固着(接着)方式のデメリット

壊れやすい

粉末の材料を固めて作るため、粉末固着方式でプリントした造形物は脆く壊れやすいというデメリットがあります。造形後に仕上げの硬化剤を使用して強度を上げることもできますが、丈夫さより発色の良さを求められるものが向いています。

粉末の処理ができる環境が必要

造形物が粉末に埋もれた状態でプリントが完了するので、取り出して刷毛やエアーで余分な粉末を除去する必要があります。その際に粉が舞い上がっても問題がないよう環境を整えておかなければいけません。

造形精度が低い

粉末固着方式で作られた造形物は表面がざらざらしているため、他の方式と比べると造形精度は低め。厚さ1mm以下の構造はプリントできても後処理で壊れてしまう恐れもあります。

粉末固着(接着)方式の3Dプリンター

3D SYSTEMS 社の ProJet 260Cは、コンパクトな筐体が特徴的な3Dプリンター。パーツの強度が高く、耐熱性に優れています。EOS 社の FORMIGA Pは、表面品質が高く、微細な形状の再現性能が優れた製品です。

粉末固着(接着)方式の3Dプリンターまとめ

費用対効果が高い

接着剤に色をつけるだけでなく、フルカラーの造形物をつくることもでき、造形スピードが他の方式に比べて早い粉末固着方式の3Dプリンターは、ランニングコストが安いため、コストパフォーマンスが高い3Dプリンターと言えます。サイズの大きなものを作れるという点も見逃せないポイントです。

また、この方式以外の3Dプリンターもたくさんあるので、興味がある人はしっかりチェックしてから購入するようにしてください。

3Dプリンターイメージ
500万円未満の高性能な3Dプリンター特集をチェック
       
3Dプリンターイメージ
           

近年の製造品の精緻化に伴い、500万円未満であっても、ハイエンドモデルに匹敵するような性能を備えたミドルクラスの3Dプリンターが、続々登場しています。
ここでは、500万円未満でありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。

       

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500万円未満の
高性能な業務用3Dプリンター特集

近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。

ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細高強度短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。

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▼上下にスクロールできます
製品名 積層ピッチ 最大造形サイズ
(W×D×H)
造形方式 材料などの特徴
アジリスタ
[キーエンス]

アジリスタ[キーエンス]の製品

引用元:キーエンス公式HP
https://www.keyence.co.jp/products/3d-printers/3d-printers/

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0.015mm~ 297mm×210mm×200mm インクジェット方式

アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。

使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。

樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。

Mark Two
[Markforged]

Mark Twoの製品画像

引用元:Markforged公式HP:
https://markforged.com/jp/3d-printers

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0.1mm~0.2mm 350mm×132mmx154mm 熱溶解積層方式+
連続フィラメント方式

Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。

これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。

これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。

G-ZERO
[グーデンベルグ]

G-ZEROの製品

引用元:PR TIMES公式HP:GUTENBERG社製 プロフェッショナル3Dプリンター G-ZEROの販売開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000057289.html

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0.05〜0.250mm 250mmx210mmx200mm 熱溶解積層方式

G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます

短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。

高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。

■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。