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CHECK03.どの造形方式でプリントするのか
用途別3Dプリンター3選を
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この記事でわかること
- 3Dプリンターの基本原理と、層を積み重ねて立体を作る仕組み
- 光造形、インクジェット、FDMなど主要な5つの造形方式の特徴
- 求める精度や材料、コストなど目的に合わせた最適な造形方式の選び方
FDM、光造形、インクジェットなど業務用3Dプリンターの造形方式の種類について解説します。
さまざまな造形方式から最適なものを選ぶ
3Dプリンターとは、3D CGや3D CADソフトで作成された3次元データ(STLデータ)をもとに、スライスした2次元層を積み重ねることで3D立体モデルを製作する機械です。一般のプリンターは紙などにインクを吐出し文字や図を印刷しますが、3Dプリンターは液体樹脂に光を当てて硬化させたり、樹脂を熱溶解させて積み重ねたり、粉末材料にーザーを照射したり、さまざまな方法で立体物を成形していきます。
ソフトクリームはノズルから出てくるアイスクリームを、ぐるぐる重ねて立体物を形作っていきますが、このように層状に材料を重ねて造形物を造りだす原理はどの3Dプリンターも同じです。しかし積層方式には、いくつかの種類があり、3Dプリンターのモデルによって採用されている方式も異なります。
3Dプリンターの造形方式の種類
3Dプリンターで使われている方式には以下のようなものがあります。
- 光造形(SLA)…光硬化性液体樹脂に紫外線を照射し硬化させながら立体物を造形する。
- インクジェット…液状の紫外線硬化樹脂を吐出し紫外線を照射することで硬化させ積層する。
- インクジェット粉末積層方式…インクジェット方式で着色材や接着剤を吐出し石膏粉末を硬化させて積層する。
- 粉末焼結(SLS)…粉末状の材料にレーザー光線を照射することで焼結させる
- 熱溶解積層(FDM)…ABS樹脂やPLA樹脂など熱に溶ける樹脂を吐出し積層する。
どれを選んでも立体的な造形物を出力できますが、それぞれの積層方式は特徴が異なるためクオリティや出力後のメンテナンスに差がつきます。
目的に応じた積層方式を選ぶ
大切なプレゼンテ―ションでの使用やデザインを精密に確認したいというなら、複雑な形状にも対応できる光造形が向いています。また、金属や樹脂などさまざまな材料を扱いたいなら、粉末焼結を選ぶのがおすすめ。このように、目的に応じた積層方式の3Dプリンターを選ぶ必要があります。
ちなみに、現在低価格で購入ができる3Dプリンターの多くは熱溶解積層方式です。熱溶解積層は2009年に特許期限が切れたことにより価格破壊が起こったため、数年前には数百万円した3Dプリンターが今は10万円程度から購入できるようになりました。(参照元:キーエンス公式HP(https://www.keyence.co.jp/ss/products/3d-printers/agilista/usage/birth_history.jsp)精度や表面の仕上がりは他の方式より比較的粗いですが、コンパクトなサイズや低価格、材料もカラフルなものが選べるなどメリットも多くあります。
「とにかく精度を重視している」「さまざまな材料を作りたい」「耐久性のある造形物を作りたい」「速いスピードで作りたい」など、要望に合った特徴を持つ3Dプリンターを選びましょう。
よくある質問
Q1
FDMで作る治具は、積層方向による強度の違いをどう確認しますか?
A
FDMでは、層を引き離す向きに力がかかると弱くなる場合があります。特に薄い爪やネジ周辺は層を剥がす力が集中しやすい箇所です。造形品を実際の向きで固定して試すと、机上の材料値との差を見つけやすくなります。治具に加わる力の向きを整理し、造形方向を変えた試作品で保持力や繰り返しの脱着を比べます。
材料の物性表も参考になりますが、採用前には実際に使う形状と条件で確かめることが大切です。
Q2
ABSやナイロンを使えるFDM機なら、ノズルの最高温度だけ見ればよいですか?
A
最高温度だけでは安定して造形できるか判断できません。ナイロンでは吸湿、ABSでは冷却中の反りが課題になりやすく、必要な対策が違います。装置の対応表と材料メーカーの条件を両方見ます。材料に合う造形室や台の温度管理、フィラメントの保管・乾燥、反りへの対策も確認します。
使いたい材料の推奨条件と候補機の仕様を照合し、反りが出やすい形状の試作で仕上がりを比べるとよいでしょう。
Q3
FDMで部品のはめ合わせがきつい場合、積層ピッチを細かくすれば改善しますか?
A
積層ピッチの変更だけで解決するとは限りません。穴が小さいのか、外側が大きいのかを測らずに設計値だけ直すと、別の箇所が合わなくなることがあります。問題のある寸法を切り分けます。寸法には材料の収縮、造形方向、機械の調整、サポート除去後の仕上がりなども影響します。
まずは問題のある寸法を測り、隙間を変えた小さな試験片を造形して、必要な設計寸法を決めると効率的です。
Q4
入り組んだ形状をFDMで造形するとき、サポート材はどう選びますか?
A
形状の奥まで手が届くか、サポートを外した面にどの程度の仕上がりが必要かで選びます。外から工具が届く単純な支持部なら、剥がすタイプの方が短時間で済む場合もあります。内部の空洞や見せたい面では、除去後の残留と傷を優先して比べます。水溶性サポート材を使える機種もありますが、主材料との適合や除去にかかる時間を確認する必要があります。
代表的な内部形状を試し、除去後の傷や残り具合まで比べると判断しやすくなります。
Q5
外観とはめ合わせの両方を確かめる試作は、FDMだけで済ませられますか?
A
確認する水準によります。外観を重視する面を上向きにすると、組み付け面の寸法や強度に影響する場合もあります。一台で評価するなら、優先順位を決めて造形方向を選びます。形状や組み付けの初期確認にはFDMが役立ちますが、細かな表面の見え方や透明感まで判断したい場合は、仕上げや別の方式による試作が必要なこともあります。
最初に評価項目を分け、同じ形状の代表部品で見た目と寸法を比べると、必要な工程を決めやすくなります。
Q6
同じ部品を継続してFDM造形する場合、機種選定で何を確かめますか?
A
1回の造形が成功するだけでなく、材料の保管方法、長時間運転時の安定性、消耗部品の交換や保守のしやすさを確認します。一回ごとの成功率に加え、同じ部品を異なる日・材料ロットでも再現できるかを見ると、製造現場での使い勝手が分かります。代表部品を複数回造形し、寸法と仕上がりのばらつき、後処理にかかる時間を記録すると、日常運用に合うか判断しやすくなります。