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国産高精細3Dプリンター「アジリスタ」についてリサーチ。モデルの特徴などをまとめています。
アジリスタはものづくりに携わる開発者のために作られた業務用3Dプリンターです。インクジェット方式を採用した高精細造形が可能なモデルで、例えばギアの勘合など細かな部分まで再現できる精度があります。
また国産メーカーのため、充実したサポートやサービスが受けられるのも魅力。ランプ光量の自動補正や、ヘッドの状態確認機能など、長時間かかる造形も安心して製作できます。
アジリスタは2013年に世界で初めて水溶性のサポート材を採用(※)。3Dプリンターは造形過程で形状を保持するためのサポート材を一緒に使用しますが、最終的な形状にする段階においては、サポート材の除去が必要となります。
アジリスタはこのサポート除去作業に手間がかからないようにするため、水溶性のサポート材を使用。水に浸けておくだけで造形モデルが完成します。
従来のインクジェット方式の3Dプリンターは、高精度という造形におけるメリットはありながら、機器の設置において配管工事や付帯工事が必要なデメリットもありました。そのため、3Dプリンターの購入費用だけでなく余分な費用が掛かってしまっていたのです。
しかし、アジリスタはオフィスへの設置のしやすさにこだわり、100V電源があれば設置できるようにしました。費用を抑えられるだけでなく、設置の手間もかからず、オフィスにも問題なく設置可能です。
アジリスタの造形材料は、内部を確認できる透明樹脂(AR-M2)、耐熱100℃を実現できる樹脂(AR-H1)、低硬度及び高硬度のシリコーンゴムの計4種類があります。
中でもキーエンスの樹脂材料は特徴的で、アクリルに少量のウレタンを加えることで、靭性を持たせているため、割れにくい性質があります。ネジ締めも可能なため、組立性の確認にも適しています。
さまざまな機能を持つアジリスタですが、実際に使ってみないとわからない部分もあるかと思います。
そんな方にはアジリスタのレンタル機貸し出しサービスも可能です。数回しか使わない方はもちろん、導入を検討している方も一度レンタルで試して導入効果を社内で共有できるのもポイントです。
また、実際のアジリスタで作った仕上がりを確認するため、無料造形サービスもおこなっています。おおまかな造形時間や樹脂使用量も把握できるので、これをもとに導入を検討できるでしょう。
アジリスタの積層ピッチは0.015mmなので、モデル表面の段差が非常に少ないのが特徴です。水溶性サポート材を使用するため表面にサポート材が残らず、設計寸法通りの造形をすることができます。
例えばサポート材が表面に残るとネジが締まらないものもありますが、アジリスタならネジ穴にきっちりネジを取り付けることができます。
近年の製造品の傾向に合わせて、治具も複雑な形状や高精度なもの、小ロット多品種での製造が求められるようになってきています。
多品種の治具の製造を外部に依頼すると、納期もコストもかかってしまうところを、アジリスタを使用すれば、形状の複雑さを問わず、必要な治具を出力することができます。
加えて、高精細造形を可能にするアジリスタは、精度が要求される治具の製作にも適しているため、多様な製造現場で活用されています。
アジリスタは高精度な造形が可能であるため、試作品や高い精度が求められる治具などの製作に活用されています。また、半透明の材料やサポート材の除去性など、使い勝手の良さへのこだわりも、多くの企業に選ばれるポイントです。ここでは、アジリスタの導入事例を見ていきます。
トヨタ自動車株式会社の生産技術分野におけるデジタルエンジニアリングを担当している株式会社トヨタプロダクションエンジニアリングは、アジリスタの精度に着目をして導入を決定。
本来大きなサイズの自動車部品を、ミニチュアモデルにしても十分な検証ができるほどの高精度を実現し、導入後には設計不具合による手戻りが60%減と大幅に改善。
さらに設計のリードタイムも15%削減されて、業務効率が向上できたそうです。
株式会社アルファでは、それまで使用していた3Dプリンターから、アジリスタに乗り換えを行いました。乗り換えたポイントとして、アジリスタが持つ「強度」「積層ピッチの細かさ」「半透明のモデリング材」「サポート材の除去のしやすさ」をあげています。
中でも、アジリスタの半透明材料を使用することで、ギアやレバーの筐体内部の部品の動作確認や、漏水のチェックなどが可能になりました。
また、積層ピッチが細かいので、より実物に近い状態でデザイン性を確認できるようになったそうです。
コンセプトカーや先行試作車、レーシングカー等の開発・設計・製作を受託している株式会社童夢でも、キーエンスの3Dプリンターが活躍しています。
例えば複雑な3D形状のパーツに後から穴あけなどの加工が必要になった時、アジリスタを使って加工対象の形状にぴったり合う治具を造っています。
モーターショーに展示する自動車にも使えるクオリティの造形が必要なので、3Dプリンターは選定時に積層ピッチの細かさを重視したそうですが、キーエンスの造形精度には満足しているそうです。
一般的な3Dプリンターの製品サポートは、購入前の相談なら販売会社がサポートをし、購入後はメンテナンス会社が行うのが一般的です。
ですが、アジリスタは導入検討の相談から、導入後のアフターフォローまで開発メーカーであるキーエンスが直接対応します。そのため、素早く適切な対応をしてくれるので安心です。
3Dプリンターで使用する樹脂が不足した場合、または保守部品の交換などの場合はメーカーに発注することになります。
アジリスタの場合、メーカーであるキーエンスで常時在庫を抱えているため、時間内に注文すれば当日発送も可能です。翌日には樹脂や保守部品が到着するので、万が一の時にも作業に穴をあけることが少なくなります。
国内メーカー製のため、本体のカラータッチパネルは造形スタートからメンテナンスに至るまで、日本語によるわかりやすい対話式タッチパネルになっています。そのため、誰でも簡単に操作でき、操作間違いがしにくいです。
「3Dプリンターを導入したが、精度がイマイチ」というケースは少なくありません。また企業では造形時間や樹脂使用量も重要なポイントになります。
キーエンスは導入検討のために、お客様の3D-CADデータをもとにアジリスタで造形するサービスや短期の貸し出しサービスもおこなっています。導入にあたり、社長や上司の理解を得るためにも実際に使ってみて検討することで理解度が高まるでしょう。
キーエンスのショールームでは、オフィス環境下での操作を体験することができます。造形ソフトの使用や、水溶性サポート材の除去体験など、実際に導入した際に必要となってくるフローを実際に体験の上、確認することが可能です。
また3Dプリンターの導入や運用のポイントなどについても話を聞くことができるため、初めて3Dプリンターの導入を検討しているという方は、疑問点など相談をしてみると良いでしょう。
キーエンスのショールームは大阪市淀川区と東京都港区にあります。ぜひ足を運んでみてください。
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アジリスタのレンタルサービス、
ショールームについて詳しく見る
会社名 | 株式会社キーエンス |
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所在地 | (本社・研究所)大阪府大阪市東淀川区東中島1-3-14
(東京研究所)東京都港区台場2-3-1 トレードピアお台場18F (高槻事業所)大阪府高槻市明田町2-13 |