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アメリカ・サウスダコタ州に本社を構えるB9Creations社が手がける光造形方式(DLP方式)の超速3Dプリンター「B9Core」について、その特徴やスペック、日本国内での販売代理店情報などを詳しく紹介します。100万円台の3Dプリンター導入を検討されているモデルメーカーなどはぜひ参考にしてみてください。
B9Coreは、宝飾品・フィギュア・彫刻・工業製品といったミクロスケールの造形物の製作や、ラピッドプロトタイピングに適した3Dプリンターです。
その最大の特徴は高解像度による精密な再現性と、品質を損なわずに高速で造形ができる点にあります。
B9Coreには、より精密な造形に適した「B9Core530」と大規模製造向け「B9Core550」の二種類がラインナップされており、「B9Core530」は造形面積2.5cmあたり20〜30分、「B9Core550」は造形面積2.5cmあたり40〜60分で造形が可能。そのため、1日8〜10時間の稼働で数百ものモデルの生産が見込めます。
B9Coreシリーズは100万円台で導入可能な小型の3Dプリンターです。小型で設置しやすく、高速でありながらとても静かな点も見逃せません。
また、大きなタッチスクリーンによるタッチボタン操作、統合されたシステムによるキャリブレーションやチューニングなどの複雑さを解消するなど、可能な限り操作を単純化。導入のしやすさ・使いやすさにもこだわりが感じられます。
B9Creations社には日本法人はなく、国内正規代理店での購入となります。
海外メーカーの3Dプリンターの場合、個人輸入だと電圧や環境の違いなどで造形がうまくいかないといったトラブルも発生しかねません。
そこで国内の正規代理店では、年間契約によるモーターやメイン基盤など消耗品以外の部品の無償交換や、ジュエリーCADソフトの講習会や教本の割引、さらに日本の環境に適したパラメータの設定や各業種毎に機器やキットを追加・納入するといった独自のサポートを実施しています。
B9Coreを手がけるB9Creationsは、ジュエリー用3Dプリンターの製造会社としても知られており、本機においても金・銀・プラチナなどの金属や複合材製の3Dプリントを得意としていることから、ジュエリーリングなどの小さな宝石の生産に向いています。
それ以外にも、工業デザイン、ラピッドプロトタイピング、フィギュア、乗り物や建造物の模型、超小型治具などにおいても高い再現性を発揮してくれます。
B9Creationsの3Dプリンターは、飽食関係や精密フィギュア、工業デザインを行なうモデルメーカーやアーティストの他、世界中の大学研究室でも使われています。
会社名 | 株式会社3D Printing Corporation |
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所在地 | 本社/神奈川県横浜市鶴見区小野町75-1 LVP1-101 |
会社名 | 株式会社 システムインナカゴミ |
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所在地 | 山梨県中央市山之神流通団地 1-8-2 |
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
---|---|---|---|---|
アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。