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3Dプリンターの造形サイズについて解説し、サイズ別おすすめ3Dプリンターについても紹介します。
3Dプリンターの造形サイズは色々ありますが、何を造形するかによって選び方も変わってきます。大は小を兼ねるから…と、造形サイズの大きい3Dプリンターを選ぶと、そのぶん造形時間がかかります。また造形途中で失敗してしまうと、最初から造形作業をやり直しすることになり、時間だけでなくコストもかかってしまいます。 実物大でなければならないものや、最終製品用途であれば造形サイズの大きい3Dプリンターが必要ですが、そうでない場合は時間やコストを踏まえた上で作りたい物の大きさに合わせて選ぶようにしましょう。
造形サイズが大きいほど良いと思っている人も多いようですが、実際には造形サイズはあまり問題ではありません。造形サイズが大きくなると、材料によっては反りや歪みなどが発生したりすることもあるので、一度に大きい物をつくるよりも、パーツに分けて作ったものを組み合わせた方が精密にできる場合もあります。 3Dプリンターの造形サイズの分類に明確な基準はありませんが、以下のようなサイズが目安となります。
小(S):10 cm x 10 cm x 10 cm
中(M):20 cm x 20 cm x 20 cm
大(L):30 cm x 30 cm x 30 cm
特大(LL):上記以上
(縦x横x高さ)
造形サイズが大きくなると造形時間もかかり失敗するとやり直しになってしまいます。造形サイズが大きい3Dプリンターを選ぶ時には長時間安定して造形できるものを選ぶことが重要です。
以下にそれぞれの造形サイズでおすすめの製品をご紹介します。公式HP(販売代理店公式HP含む)に造形サイズ及び用途に関する記載のある主な製品を、編集部独自の視点で紹介していますので、参考にしてみてください。
コンパクトなボディでありながら光造形方式デジタルライトプロセシング(DLP)技術を搭載。精密部品など高い精細性が必要な試作品の造形に適しています。
参照元:リコー公式HP(https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/dlp/vida/)
独自技術「Low Force Stereolithography(LFS)™」 レーザーとミラーを包含したLight Processing Unit(LPU)を使用した独自技術「Low Force Stereolithography(LFS)™」で微細さと速度を両立しながら造形します。
参照元:リコー公式HP(https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/lfs/formlabs_form3/)
透明、ゴムライク、ABSライク等7種類の異なる材料の混ぜ合わせやアセンブリモデル造形が可能。デザインプロセスの早期に高いリアリティの高品質造形モデルを実現します。
参照元:リコー公式HP(https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/polyjet/stratasys_j826/)
積層ピッチ最小0.05mmで高精細なパーツ造作が可能な産業用3Dプリンター。高い強度、強靭性、耐熱性、安定性、復元力から治具やエンドパーツに適しています。
参照元:リコー公式HP(https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/fdm/industrial_series/)
熱溶解積層方式(FDM) 低価格ながら高精度で多種多様なフィラメントに対応。可動式デュアルヘッドを搭載し、単色造形~2色造形、サポート専用材を使用した造形が可能です。
参照元:リコー公式HP(https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/fdm/raise3d_pro2/)
高温対応した新型ヘッドとテーブルによりエンプラ(エンジニアリングプラスチック)造形に対応したデスクトップ3Dプリンター。
参照元:リコー公式HP(https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/fdm/mf2500ep/)
使用材料に制限がなく熱可塑性プラスチックも造形可能。工業用として設計されているので大型造形物も分割せずに造形できます。
参照元:リコー公式HP(https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/fdm/aon_m2/)
大きなサイズの造形ができるプリンター。照射速度やレーザー出力などが任意で設定可能、高性能・高品質な光造形モデルが作製できます。
参照元:リコー公式HP(https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/sla/acculas_ba85s/)
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
---|---|---|---|---|
アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。