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Stratasys社から発売されている大型FDM方式の3Dプリンター「F900」について、特徴やスペックを分かりやすく紹介します。大規模生産体制を計画している事業者向けの3Dプリンターですので、重工業や大型製品を設計・製造しているなら必見です。
3Dプリンターの開発・販売をしているアメリカのStratasys(ストラタシス)社は、F900と呼ばれるシリーズを販売しました。
F900の特徴は、一般的な3Dプリンターよりも大きいサイズという点です。サイズは2772×1683×2027mmと、その他のタイプと比較して2倍以上の大きさとなっています。また、重量も2869kgとデスク向きではなく、基礎や床に直接配置しなければなりません。
プリンター本体のサイズが大きなぶん、成形できる製品のサイズ上限も大きく、914.4×609.6×914.4mmと大型の部品製造にも対応できます。
造形方式はFDM(熱溶解積層方式)なので、ABS系やPC系などの工業用樹脂素材に対応。たとえば航空機内装部品や工業用金型、治具などさまざまな製品を生産できます。
小型・中型3Dプリンターと比較すると、積層ピッチが大きい印象を感じるかもしれません。しかし想定部品が大型部品のため、求められる積層ピッチの基準も異なります。
造形サイズは914.4×609.6×914.4mmと、幅と奥行が1m弱となる製品も対応可能です。そのサイズで0.1mm単位の積層ピッチは高精度といえるでしょう。
F900に向いているのは、アクセサリや個人向けの小型製品ではなく、工業用製品および大型の部品です。大型の3Dプリンターのため、工場などの広い空間と2869kgもの重量に耐えられる基礎部分に設置する必要もあります。
航空機用内装部品や1m弱の金型部品、自動車部品など、大型の工業用樹脂製品の開発や製造を検討している事業者は検討してみてはいかがでしょうか。
F900の具体的な導入実績についてご紹介します。
F900は国内の産業機械メーカーでも導入実績があり、3Dプリンターによる造形サービスの際に活用されています。
A社の場合はもともと3Dプリンターを保有していましたが、大型造形には対応できない中小型のみでした。そこで大型造形に対応したF900を導入。大型造形が必要とされる工業用製品において、今後の活躍が期待されます。
海外企業B社でもF900が導入されています。B社は鉄道会社で、鉄道車両の消耗部品にF900で造形した部品を活用する予定とのこと。
また、鉄道関係の治具についてもF900を使用し、造形・内製部品コストの削減を目指していくそうです。
会社名 | Stratasys社 |
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所在地 | 日本本社/東京都中央区新川2-26-3 住友不動産茅場町ビル3F |