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Markforged(マークフォージド)社の3Dプリンターの中では強度が高く汎用性に富んだパーツを造形可能な3DプリンターMark Two。コンパクトなボディながら、世界初(※)のカーボンやナイロンにファイバー素材を織り込んだ独自の造形材料により、極めて強い強度と高精細な造形を実現した本格的な工業向け製品となっています。
強い部品が作れる卓上プリンターの導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
2014年2月にMarkforgedより発表された世界初のカーボンファイバー3Dプリンター「MARKOne」(※)の後継機として、プリント速度を約40%向上させた第二世代3Dプリンターです。
鉄の4分の1の軽さで、10倍の強度を持ったカーボンファイバー(炭素繊維)は、加工が非常に難しい素材だといわれています。Mark Twoは、その加工が難しいカーボンファイバーでの造形を、世界で初めて可能にした3Dプリンターとして、業界では一躍話題となりました。 この3Dプリンターの開発により、耐久性を要するパーツが必要となるあらゆる工業業界での生産性が大幅にアップすることに成功しました。
そのうえ、一般的なオフィス内や設計室などでも3D出力が可能なデスクトップ型で、奥行33cmのコンパクトボディながら、強力なコンポジット材料などユニークな材料を多数利用できるのが魅力となっています。
※参照元:Composites 2.0(https://www.rs.tus.ac.jp/composites2/workshop.html)/Engadget 日本版(https://japanese.engadget.com/jp-2014-02-19-3d-mark-one-4999-8799.html)
Onyxという専用材料は、ナイロンに微小なカーボンを組み合わせた高い強度を誇る素材。Markforgedでは核となる材料です。
特徴は、黒色でプラスチックの2倍の強度と高い耐熱性を持っている点です。この特徴を生かし、工業製品に適した強度の高いパーツを造形することが可能となっています。
Mark Twoの3Dプリントに使用する材料は、2つの材料を組み合わせています。表面はOnyxやナイロンを使うことでなめらかに、内部にはカーボンファイバーを使用することで優れた強度を持たせることが可能です。2つの材料を組み合わせることで形成されるパーツは、耐久面で非常に強く、治具、航空宇宙、自動車業界とさまざまな分野で活躍します。
耐久面に優れた「Onyx」を中心に、Mark Twoではケブラーやファイバーグラス、高強度高耐熱のHSHTファイバーグラスなどの特殊な材料を使用できます。これらの材料を使用することにより、通常の3Dプリントよりもはるかに強靭なパーツを3Dプリントすることが可能になっています。
なめらかな表面を可能にする材料を使うことで、プリントしたパーツを完成直後から使用することが可能です。研磨などの作業が不要なのも、コスト削減につなげることができます。
Mark Twoは積層ピッチ最小0.1mmと、精密な造形を可能とします。造形精度、造形テーブルの設置精度が極めて高いため、造形を中断し、部品を追加した後に元に戻しても全く同じ位置から造形を再開することができるほどです。
また、インターフェースでは内蔵のタッチスクリーンを搭載しており、Wi-Fi接続や造形の開始、3Dプリンターの管理を簡単に行うことができます。
特殊な複合繊維での造形をサポートしているのが、独自のソフトウェアである「Eiger」です。パーツに柔軟性を持たせたり、強度を高めたりといったことが、ソフトウェアを使って簡単に操作できます。また、自動補強の機能もあるため、必要な強度まで最大限に合成を高められます。
ユーザーが材料やスケールの向きなどの選択や3Dオブジェクトをスライスすることも可能です。スライスでの簡単なアクセスに加え、Markforgedの3Dプリンターはすべてこのソフトウェアに接続されており、ユーザーは自分のアカウントでログインしプリントフォームで部品の進捗を確認できます。これにより、離れたところからでもプリンターのジョブ管理を行えます。
また、自動更新によりログインするたびにEigerソフトウェアがアップデートした状態に保たれるため、新しいマテリアルの情報などもいち早く得ることができます。
Mark Twoの大きな特徴といえば、やはり製造される造形物の強度や剛性が非常に優れている点です。外側はOnyxなどの樹脂、内部はファイバー素材で強化したことで作りだされる造形物の強度と耐久性は折り紙付き。この技術により、製造工程で使用する治具や強度を要求される部品の製造を、Mark Twoで行うことが可能となりました。
生産用の治具を作るには、長い時間と大きなコストが必要ですが、Mark Twoの3Dプリンターを導入することで、時間と費用のコストを大幅に抑えながらパーツの製作ができるでしょう。Mark Twoはコンパクトな3Dプリンターでありながら、類い稀なる強靭なパーツを造形できるので、自動車などの工業製品や航空宇宙分野など耐久性が求められる業界での部品製作に活躍します。
こうした優れた特性を生かすことで、Mark Twoは現在様々な向上で用いられるロボットの造形に用いられています。高精度な設計が可能なMark Twoだからこそ、実現した事例と言えるでしょう。
強度が高く、汎用性に富んだ部品の造形が可能なMark Twoの3Dプリンターは、現在「Dixon Valve & Coupling」や「ユニリーバ」の工場に導入され活躍しています。その作業スピードの速さによって、工場で必要となる頑丈なセンサーマウント及び冶具を一晩で造形可能です。また、汎用性の高さから複雑な構造が求められる工場のロボット造形にも役立っています。
Markforged独自の材料による造形が高強度を誇ることから、Mark Twoは大型ドローンを製造している日本のメーカー・株式会社エアロジーラボにも導入されています。この会社では、Mark Twoの高い造形精度を活かすことで、出力された部品のサイズ調整が不要になりました。これにより作業効率が大幅にアップするなど、大きな貢献を果たしています。
販売代理店のAPPLE TREEでは、3Dプリンターのトラブルに対して迅速に修理や部品交換を行っています。
製品の使用方法や印刷方法について分からない点など、メールや電話で問い合わせが可能。顧客に安心と高品質な対応をするために、専門スタッフによるサポート体制を整えています。
会社名 | APPLE TREE株式会社 |
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所在地 | 大阪本社:大阪府大阪市中央区本町4-3-9 本町サンケイビル 18F 東京支社:東京都港区芝大門2-9-4 VORT芝大門Ⅲ 9F |
URL | https://apple-tree.co.jp/ |
電話番号 | 大阪本社:06-6710-9061 東京支社:03-6450-1163 |
営業時間 | 平日9:00~18:00(電話対応時間:9:30~17:30) |
定休日 | 土・日・祝 |
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
---|---|---|---|---|
アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。