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3Dプリンターで大きな造形物を作るなら造形できるサイズは大きいほど良いだろうと考えがちです。しかし実際には3Dプリンターの造形サイズが大きいことはそれほど重要ではありません。
大きなものを作ると「歪み」「そり」や精度の低下が起きるだけでなく、造形時間もかかります。長時間造形を続けているうちに途中でマシンが停止することや、マシンの不具合でとんでもない造形物ができていたりすることもあります。
場合によっては大きい物を作るなら小さい構成パーツに分割して造形する方が良いこともあるので、業務用3Dプリンターを選ぶ時には用途に合わせて選ぶことをおすすめします。
こちらでは500万円未満で購入できるおすすめの業務用3Dプリンターを造形サイズ別に紹介します。公式HP(販売代理店公式HP含む)に造形サイズ及び用途に関する記述のある主な製品を紹介していますので、参考にしてください。
※シリーズのものは、最大サイズに分類しています。
低価格ながら独自DLP方式により滑らかで高精細でな造形を実現。精密さが求められるデザイン検討や機能部品検討などのモデル造形に向いています。
20種類以上の樹脂が使用でき、表面仕上げが不要な美しい出力表面を実現、精細なデザインが必要なジュエリーや歯科医療におすすめです。
コンパクトなボディのオールインワンデスクトップ。高速で高精細な造形ができるので歯科用ワックス等の原型造形や指輪などのアクセサリー製作に適しています。
ボディはコンパクトですがナイロンやカーボンにファイバーを織り込んだ独自材料で高強度・高精細な造形を実現。製造工程で使用する治具や部品製造に力を発揮します。
低価格の光造形3Dプリンター。最小積層ピッチが小さいのでなめらかに仕上がり表面仕上げが不要。さまざまな材料を使えるので幅広い造形ができます。
<XFAB 2000>
<XFAB 2500>
<XFAB 3500>
本体サイズはMFシリーズの中では小さいですが十分な造形サイズを実現。日本製のFDM方式3Dプリンターなので取扱いも簡単で安心です。
造形ベースをセットしデータ転送するだけで造形でき、サポート材除去も専用除去液に浸けるだけなので簡単。工業製品、ジュエリー、模型試作におすすめです。
<S-Series S350>
<S-Series S370/S390>
<S-series S500>
アルミニウム躯体に高品質パーツを使った3Dプリンター。ABSの試作品作りにおいては、業界でも実績が豊富です。
アジリスタはオフィスへの設置性にこだわり、配管工事や付帯設備が不要なので、必要な場所で利用をすることが可能です。試作品や治具など、これまで製造・納品までに時間のかかっていたものを、気軽に造形することができます。
Markforgedのデスクトップシリーズの中でも最小0.05mmの積層ピッチ、広いワークスペースを備える生産性重視の本格的な工業向け3Dプリンターです。
デザイン作りやプリントのサポートをするGrabCADソフトも搭載されている多機能型3Dプリンターです。幅広い試作品の製造に向いています。
プリンター本体ディスプレイから直接操作可能なデスクトップサイズなので気軽に試作品を製造でき、製造過程も観察できます。
日本の3Dプリンター会社である武藤工業が製造開発。日本製3Dプリンターを探しているならおすすめ。低価格ですが異材種造型や2色造型に対応、コンパクトサイズでも大型造型ができます。
素材にABS-Plus樹脂を採用し強度を40%アップしています。カラーラインナップは標準で9色、オリジナルカラーも特注可。造形エリアが広く幅広い使い方ができます。
熱収縮などで歪みやすいスーパーエンプラにも対応、大型造形も可能な多機能型3Dプリンターです。研究開発や医療分野での試作品製作に向いています。
<FUNMAT HT>
<FUNMAT PRO>
高精度の3Dプリントを実現するために積層ピッチだけでなく各軸のデータ、震度、機械独自のスライス機能にもこだわり、模型製作から工業製品まで幅広く対応可能です。
コンパクトサイズながら繊細でなめらかな表面の造形ができるので試作品だけでなくパーツ材料や実用品製作にも向いています。
カスタマイズ性が高く優れた加工性のある3Dプリンター。幅広いユーザーニーズに応えられるようさまざまなサイズが用意されています。
高精度の3Dプリントを実現するために積層ピッチだけでなく各軸のデータ、震度、機械独自のスライス機能にもこだわり、模型製作から工業製品まで幅広く対応可能です。
カスタマイズ性が高く優れた加工性のある3Dプリンター。幅広いユーザーニーズに応えられるようさまざまなサイズが用意されています。
近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。
ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。
製品名 | 積層ピッチ | 最大造形サイズ (W×D×H) |
造形方式 | 材料などの特徴 |
---|---|---|---|---|
アジリスタ [キーエンス] |
0.015mm~ | 297mm×210mm×200mm | インクジェット方式 |
アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。 使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。 樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。 |
Mark Two [Markforged] |
0.1mm~0.2mm | 350mm×132mmx154mm | 熱溶解積層方式+ 連続フィラメント方式 |
Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。 これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。 これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。 |
G-ZERO [グーデンベルグ] |
0.05〜0.250mm | 250mmx210mmx200mm | 熱溶解積層方式 |
G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます。 短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。 高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。 |
■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。