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VECTOR 3SP[EnvisionTEC]

500万円未満の高性能な業務用3Dプリンター特集

海外メーカーの株式会社EnvisionTEC社が開発、株式会社リコーが販売を行っている3Dプリンター、VECTOR 3SPを調査。VECTOR 3SPの造形方式や特徴、どのような製造現場に向いているか実用性について紹介します。工業用製品に活用できる加工精度を実現できる大型造形3Dプリンターを探している場合は、ぜひ参考にしてみてください。

VECTOR 3SP[EnvisionTEC]イメージ
引用元HP:3DP id.arts公式サイト
https://idarts.co.jp/3dp/envisiontec-vector-3sp/

モデル特徴

精度の必要な工業用製品の成形が可能

3DプリンターのVECTOR 3SPは、立体広告やフィギュアなどではなく、歯車など工業用製品の試作品や製品に用いることができます。

工業用製品は、インテリアやフィギュア、立体広告などと異なり求められる加工精度に大きな違いがあり、1mmや1mmより小さな範囲で誤差を設定しているのが基本です。そのため、3Dプリンター側も同様の精度で加工できなければ、いくら高速加工が可能でも現場に用いることができません。

その点、VECTOR 3SPは自動車部品や金型の製造が可能です。それは光造形方式や独自技術によって支えられているためです。

光造形方式を採用

VECTOR 3SPの特徴の1つは、光造形方式を採用しているところです。

3Dプリンターの光造形方式は、紫外線が照射されると固まる特殊な樹脂を流し込み、3Dプリンターの下型からLEDライトを当てて1層ずつ硬化させる方式。

光造形方式のメリットは、高精度な加工を実現できる点でしょう。他の造形方式と異なり、XY方向に流し込まれた樹脂を一度に硬化できるため、高速で硬化しつつ成形時のゆがみを抑えられます。また、角部や縁などの形状も再現できます。

独自技術3SPを取り入れている

独自技術を採用している点にも注目してください。

VECTOR 3SPでは、独自技術「3SP」と呼ばれる技術を盛り込んでいます。3SPとは、開発メーカーEnvisionTEC社が作り出した技術で、成形品の表面の状態・精度を維持しながら高速加工を実現する特殊な加工方法・システムです。

独自技術のため詳しい仕組みは公開されていませんが、複雑形状にも対応しています。さまざまな工業用製品を製造したい現場には、とくに嬉しいポイントです。

対応マテリアルが豊富

VECTOR 3SPは対応マテリアルの豊富さも魅力的です。マテリアルとは素材のことで、3Dプリンターごとに、対応可能な素材は異なります。また、価格や開発方針によって、対応マテリアルの種類にも違いがあるため、求めている素材で加工できない3Dプリンターを購入してしまうと大きな損失につながります。

VECTOR 3SPは、以下のような9種類の素材に対応しているのが強みです。

どれも樹脂ですが、引張強度や曲げに対する耐久性、熱によるたわみや硬さなどさまざまな点で異なる性質を持っています。

多様な樹脂を1台で対応可能な点は、コストや効率性で大きなメリットではないでしょうか。

造形後の処理は簡単

VECTOR 3SPは、樹脂製品造形後に処理が必要なものの、処理作業は簡単です。

一般的に造形後の処理作業は、専門的な知識と技術を持ったスタッフが担当しなければ製品の破損などにつながるため、人材コストも考慮しなければいけません。

しかしVECTOR 3SPの場合、マニュアルを覚えれば外部スタッフを雇う必要はないでしょう。

まず成形された製品を外し、イソプロピールアルコールで洗浄します。その後、サポート材を手で取り外して、ビルドプラットフォーム(3Dプリンタの床部)に接地していた面のみ多少の凸凹があるので軽く磨いて完了です。

製作に向くタイプ

大型造形の必要な工業用製品製造・開発現場

VECTOR 3SPに向くタイプは、大型造形品の造形や自動車部品などの成形など、工業用製品の製造・開発現場です。

造形サイズ300x200x275mmと、本体サイズに対して比較的大きな造形にも対応できるので、設置スペースが限られている製造現場にもおすすめ。

また、対応している素材も豊富なので、製品パーツだけでなく試作開発が必要なものの複雑形状の成形に関するコスト面で課題を残している現場にも導入メリットがあるでしょう。

商品スペック

VECTOR 3SP

導入実績例

VECTOR 3SPの導入事例は見つかりませんでした。

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販売会社

会社名 株式会社リコー
所在地 東京都大田区中馬込1-3-6
3Dプリンターイメージ
500万円未満の高性能な3Dプリンター特集をチェック
       
3Dプリンターイメージ
           

近年の製造品の精緻化に伴い、500万円未満であっても、ハイエンドモデルに匹敵するような性能を備えたミドルクラスの3Dプリンターが、続々登場しています。
ここでは、500万円未満でありながら、高精細、高強度、短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。

       

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500万円未満の
高性能な業務用3Dプリンター特集

近年、製造品の多様化に伴い、3Dプリンターに求められる機能性においても、性能が重視されることがポイントとなってきています。

ここでは、500万円未満のミドルクラスでありながら、高精細高強度短納期で造形できる3Dプリンターをそれぞれ紹介します。各製品の特徴に加えてショールーム情報もまとめました。

▼左右にスクロールできます▼
▼上下にスクロールできます
製品名 積層ピッチ 最大造形サイズ
(W×D×H)
造形方式 材料などの特徴
アジリスタ
[キーエンス]

アジリスタ[キーエンス]の製品

引用元:キーエンス公式HP
https://www.keyence.co.jp/products/3d-printers/3d-printers/

公式HPで
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0.015mm~ 297mm×210mm×200mm インクジェット方式

アジリスタは、国産の3Dプリンターでは数少ないインクジェット方式を採用し、積層ピッチ0.015mmの高精細造形を実現。水溶性のサポート材の為、細部までしっかりと造形でき、部品の組付けまでできる精度を誇ります。

使用可能な材料はUV硬化アクリル樹脂とシリコーンゴム。

樹脂はアクリルに少量のウレタンを配合し、靭性を持たせているため、ネジを締めても割れないことが特徴です。

Mark Two
[Markforged]

Mark Twoの製品画像

引用元:Markforged公式HP:
https://markforged.com/jp/3d-printers

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0.1mm~0.2mm 350mm×132mmx154mm 熱溶解積層方式+
連続フィラメント方式

Mark Twoは、Markforged独自のカーボンファイバー連続繊維を使用できる方式が採用されています。

これは、造形物の内部にカーボンファイバーで骨組みを組成しながら形作っていく方式です。

これにより、高強度の造形が可能になり、製造工程で使う治具や工具、より強度が求められる部品の製造を行うことができます。

G-ZERO
[グーデンベルグ]

G-ZEROの製品

引用元:PR TIMES公式HP:GUTENBERG社製 プロフェッショナル3Dプリンター G-ZEROの販売開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000057289.html

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0.05〜0.250mm 250mmx210mmx200mm 熱溶解積層方式

G-ZEROは、最大500mm/sというスピーディな造形ができます

短時間で造形が可能になり、生産性が向上します。

高速で動くヘッドの振動を抑える技術も搭載し、ハイスピードながら安定感のある造形ができます。

■選定条件
アジリスタ[キーエンス]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高精細」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、インクジェット方式を採用し、積層ピッチが最小の製品として選出
Mark Two[Markforged]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 強度」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、カーボン素材を使用できるもので、唯一、熱溶解積層方式+連続フィラメント方式を採用している製品として選出
G-ZERO[グーテンベルク]……2023年7月19日、Googleで「3Dプリンター 高速」と検索して表示された50万円以上500万円未満の製品のうち、造形速度が最速の製品として選出しました。