その1.光造形型

造形方式の一つ、光造形型の3Dプリンターについて、メリットやデメリットを調べました。

光造形画像

引用元:Roland DG公式サイト
<http://www.rolanddg.eu/it/prodotti/-6>

光造形方式とは?

光造形は3Dプリンターの積層造形法のなかでも最も昔から存在する方式です。紫外線を当てると固まる性質をもつ液状のエポキシ樹脂に紫外線レーザーを一層一層当てて硬化させ、同様の動作を繰り返しながら目的の立体的な造形物を作ります。

光造形は樹脂に光を当てる方法が2種類あります。液体樹脂に紫外線レーザーを当てて樹脂を硬化させる「レーザー走査方式」と、液体樹脂にプロジェクターで光を照射して樹脂を硬化させる「プロジェクター方式」。

レーザー走査方式はさらに自由液面方式と吊り下げ方式があり、プロジェクター方式は主に吊り下げ方式を採用しています。

光造形方式の3Dプリンターでどんな物が作れる?

光造形方式の3Dプリンターでは、複雑な形状に対応でき、滑らかさを持った造形が可能です。例えば、アクセサリーのプロトタイプやフィギュア、手術前のシミュレーションで用いられる心臓のモデルなどを作るのに適しています。細かなデザインが多いアクセサリーや複雑な構造の心臓モデルは、光造形の特性をフルに活かせます。

特殊な例を挙げるとすれば、壁の装飾や補強に使われる「壁瓦」のモデル制作にも用いられています。モデル自体に実際の施工で使用できるほどの強度を持っていたため、設計会社側もイメージしやすかったようです。

また、とある研究室では、風洞実験(風の流れを予測する実験)用の「翼模型」を光造形式の3Dプリンターで作成したそうです。

従来の模型作成方法では、研究テーマにマッチせず困っていたところ、光造形の3Dプリンターなら厚み3ミリ・長さ75ミリの翼模型でも内部に空洞を作れるというメリットがあると知ったのだとか。イメージどおりの翼模型を入手したことで、研究はうまく進んでいるようです。

このように、光造形方式の3Dプリンターは、高精細な造形物を生み出すことに長けているといえます。

光造形方式の3Dプリンターで作ったモデルの例

光造形方式の3Dプリンターでどのくらいの物が作れるのか、サンプルを作ってもらいました。
※機種の名前をクリックすると公式サイトへ移動します。

DWSXFAB DWSシリーズ monoFab ARM-10
DWSAFBの造形モデル DWSシリーズの造形モデル monoFAB ARM-10の造形モデル

今回作ってもらった物は、なんと1円玉程度の大きさ。にもかかわらず、いずれも、穴や突起、溝が潰れることなく見てとれます。光造形方式の3Dプリンターであれば、小さくても細かな構造の造形物が作れるということですね。

3Dプリンターの導入・購入を検討している場合は、必ず、サンプルを取り寄せて、造形の精度を確認しましょう。

光造形のメリット

滑らかな造形物が作れる

光造形は造形物の表面が滑らかなものを作ることができます。表面の仕上げが不要になれば、その分造形後の処理が楽になります。

複雑な形状も容易に造形できる

光造形は複雑な形状でも短時間で造形できます。精度が良いためプレゼンテーションやデザインの確認モデルとしても重宝されます。

古くから使われていて実績がある

光造形は最も古くから使われている方式のため、実績があります。現在産業分野では最も利用されている積層造形方式です。

透明度の高い造形物ができる

他の造形方式に比べると光造形は透明度の高い造形物を作ることができます。後工程で研磨をすればさらに透明度を高めることも可能です。

光造形のデメリット

コストが高くなりがち

ABS樹脂に比べると光造形に使える樹脂は単価が高いため、重量のある造形物を作ろうとするとコストが高くなりがちです。

造形後の処理に手間がかかる

造形後は未硬化樹脂をアルコールや有機溶剤で洗浄する必要があったり、樹脂によっては二次硬化の必要があったりと、処理に手間がかかります。

太陽光での劣化があるため長期間の使用に向かない

エポキシ樹脂は太陽光で劣化をする特性があるため、長期間の使用には向きません。また力が加わるものにも不向きです。

量産には向かない

光造形のメリットである複雑な形状まで造形できるという点は、かえって量産には向かない場合があります。