3Dプリンターの価格帯について

3Dプリンターの価格について調査。「この価格帯でこのレベルの造形ができる」という目安にしてください。

3Dプリンター価格画像

3Dプリンターの価格

高いイメージがある3Dプリンターですが、最近はさまざまな種類の3Dプリンターが普及し始めたことで、手を出しやすい価格帯も登場しています。これまでは、数十万円した3Dプリンターも今ではPC程度の低価格で購入することができます。2009年に個人用プリンターで主流であった印刷方式の有効期限がきれたことを機にプリント材料の出力方法など主な技術に関する特許が相次いで有効期限を迎え、3Dプリンターの開発に携わる企業が爆発的に増えています。

家庭用3Dプリンターなら5万円~50万円で購入できますし、業務用3Dプリンターも250万円以上のハイクラスだけでなく、250万円以下で購入できるミドルクラスが登場しています。近年展示会では2万円代の製品も多数並び、低価格化は今後も進行していくことが予想されています。2017年12月下旬には、台湾系のXYZプリンティングジャパン(東京・板橋)が2万円をきるモデルを販売開始する予定です。底辺が28センチメートル四方、高さ30センチメートルとコンパクトな点が特徴の新型機器のターゲットは個人利用と教育現場となっています。今後も精度は維持しながらも、低価格帯の商品のニーズが高まっていくことは間違いなさそうです。(日経新聞12月14日)

3Dプリンターは、3DCADや3DCGデータから、紙に印刷するプリンターとは異なり、3Dの造形物を作成する機械です。立体の造形物を作る方法としては、3つあります。

①熱溶解積層方式

熱で溶かしたABS樹脂やプラチック樹脂を1層ずつ重ねながら造形物を作るものとなっています。そして、この方式の3Dプリンターは比較的サイズも小さく、値段も安いので、家庭向きとしておすすめです。素材も造形物を形成する素材も安価のため、コストパフォーマンスに優れています。

②光造形方式

造形物のクオリティが高く、細かい部分まで作り込めるため、商業用にも多く使われている方式となっています。価格は20万円ほどから購入でき、個人用に買う人もいます。

③粉末焼結方式

粉末状の素材に高出力のレーザー光線を当てて焼きつけるやり方です。素材には他の3Dプリンターと同じように樹脂を使うことも可能ですが、チタンや銅などの金属系の素材も使用可能となっています。ですから、使える素材の幅も広いので、作りたい造形物のイメージをしながら、作りたいものによって耐久性や耐熱性がある造形物を作成することが可能となっています。2014年2月に特許が切れたことによって、低価格帯の商品も開発され始めています。従来は300万円以上した粉末焼結方式の3Dプリンターも、現在は50万円ほどの製品も一部見られるなど、大きな価格の変化が起きています。

3Dプリンター選びでは価格も大切ですが、クオリティや実績、使いやすさで選ぶことも大切です。業務で必要となるレベルの造形ができる3Dプリンターはどの程度の価格帯があるのか。価格帯別3Dプリンターの特徴について紹介します。

家庭用3Dプリンターの価格帯

5万円~10万円

低価格な家庭用3Dプリンターです。低価格帯のモデルはほぼ熱溶解積層法を用いて造形を行います。従来は、業務用と比べるとおもちゃのような使用感で、クオリティを追求する方には厳しい面がありましたが、最近はこの価格帯でも十分な造形ができるものが登場してきたため、個人の3Dプリンターの入門にはおすすめです。個人用としてだけではなく、試作やアイディア出しの段階で使う場合には、十分に業務用として使用することができます。

BS01 BONSAI Miniは超小型ではあるものの、プリント面積は大きめの木製ボックス型プリンタです。10万円代を切る商品で、サイズ感も小さめです。Bonsai社の出しているBS01については造形用とサポート材用でノズルが異なるなど、本格的な家庭用3Dプリンターとなっています。

10万円~50万円

家庭用3Dプリンターのなかでも本格的な3Dプリンターの価格帯です。熱溶解積層法が主流で、置き場所を選ばないコンパクトなサイズのものが多いです。低価格の3Dプリンターは現在、ボックス型、メンデル型、フレーム型の3タイプに分類されます。メディアでよく見るのはMakerBotのReplicatorのようなボックス型です。なかには造形サイズを200mm四方確保しているモデルもあり、十分な大きさの造形をすることが可能です。材料はABS樹脂やPLA樹脂が使えるモデルが多いですが、価格が少し高めのモデルになるとナイロンなどの材料を扱えるものもあります。

業務用3Dプリンターの価格帯

250万円以下

業務用3Dプリンターのなかでもミドルクラスと呼ばれる価格帯です。家庭用の3Dプリンターとの違いは低価格帯モデルの最小積層ピッチが0.1~0.2mmであるのに対し、業務用のミドルクラスでは0.02mm~など、高精細な造形物を作ることができます。また光造形方式の3Dプリンターも低価格帯で登場し始めたため、250万円以下のミドルクラスでも業務に十分なレベルの造形物を作れるようになってきました。

250万円以上

業務用3Dプリンターのなかでもハイクラスと呼ばれるものは250万円以上のものがほとんどです。ハイクラスは製造業などの企業向けのモデルで、樹脂だけでなく金属やセラミックなどさまざな材料を加工できるものやフルカラーで使えるものなど、価格帯に見合った高性能なモデルが揃います。製品のデザイン確認や試作品作りだけでなく、実用品としての最終製造も可能だったり、解像度や積層ピッチを変えたりなど用途に応じた対応ができます。価格の安いものと比べると明らかに見た目に差があります。ただし、安いものと比べたときに機能面は変わらないことも多いようなので、用途によっては検討の必要があるかもしれません。

中小企業と3Dプリンター

ゼネラルエレクトリックやエアバスなどの大企業が牽引する航空宇宙産業では3Dプリンターを持つことでより大きなコスト削減が見込まれています。従来は、最終工程で試作品を作る際に、金属を鋳造して作成する方法がメジャーで時間も労力も大きくかかっていました。金属用の3Dプリンターを活用すれば燃料費や人件費、材料費など様々な面においてコスト削減ができます。

しかし、その価格は、少なくとも1,000万円以上かかるため、中小企業には無縁の存在でした。現在では、その価格を10分の1以下にしようとする動きもあり、今後3Dプリンターの活躍の機会は増えていくに違いありません。

一方で、まだまだ3Dプリンターの導入が遅れているのが実情です。3Dプリンターは好きなものを出力できるという知識はあっても、業務でどう利用するかと聞かれると、試作品の射出くらいしか思い浮かばない人も多いようです。ですので、まずはコストを抑えられる5~10万円以下の熱溶解積層法を用いて造形するタイプものから導入することをおすすめします。施策品や検証用に使ってみて、業務の中で3Dプリンターが活かせる部分はどこなのか、どのように活用することができるのかを確認してみてください。

機械だけ買って結局使わないのでは本末転倒です。まずは安価なものから使用し、社員が慣れてきたら本格的に導入してみるのがよいでしょう。

3Dプリンターの新規導入で補助金がもらえるって本当?

3Dプリンターを新規導入するにあたり、ものづくり補助金を受けられる可能性があります。ものづくり補助金とは、革新的サービスや試作品の開発、生産プロセスの改善を行うための事業です。革新的サービスや試作品の開発、生産プロセスの改善とは、3~5年で付加価値額が年率3%に達する計画を指します。もしくは、経常利益が年率1%の向上を達成できる計画が望まれます。同じような制度の中に助成金もありますが、意味は異なります。大きな違いとして、助成金は資格条件さえ満たせば受けられる制度であるのに対し、補助金は事業計画などの審査を受けて通過した場合に支給される制度となっています。

また、ものづくり補助金には事前の設備投資が必要です。ただし小規模の試作開発目的ならば、必ずしも設備投資をしなくてもよいとされています。条件に合った事業であれば、補助対象経費の3分の2以内を目安として支給されるでしょう。

ものづくり補助金の対象事業は、第四次産業革命型・一般型・小規模型の3つに分類されます。

第四次産業革命型

ものづくりやサービスの高度生産性向上支援を目的としています。第四次産業革命型では、IoTやAI、ロボットを用いた設備投資が求められます。また、革新的なサービスや試作品の開発、プロセス改善を行い、かつ投資利益率5%を達成する計画が条件です。

機械装置費・技術導入費・運搬費・専門家経費が対象となり、上限3,000万円まで補助されます。

一般型

一般型では、上限1,000万円まで支給される区分が該当します。補助の内訳は、機械装置費・技術導入費・運搬費・専門家経費です。一般型でも、設備投資が求められます。

小規模型

小規模型とは、上限500万円まで支給される区分のことです。さらに小規模型では、「設備投資のみの場合」と「試作開発目的の場合」に分かれます。

設備投資のみの場合では、機械装置費・技術導入費・運搬費・専門家経費が補助の対象です。試作開発目的の場合は、これらに加えて原材料費・外注加工費・委託費・知的財産権等関連経費・クラウド利用費も対象となります。

事業者の目的はものづくり事業の成功であり、補助金受給ではありません。課題解決に向けた自社の分析を行い、具体的数値やストーリーを加味した事業計画が決まり次第、ものづくり補助金の申請を行いましょう。

家庭用3Dプリンターの選び方

家庭用3Dプリンターの価格帯は、5万円から50万円代と言われています。その中でも20~50万円の家庭用3Dプリンターは、ハイスペックな機種が多く品質にこだわる方に向いている価格帯と言えます。一方の20万円以下の家庭用3Dプリンターは、「とりあえず家庭用3Dプリンターとはどんなものか」触ってみたいという人には、導入として使いやすいようです。最後に、数万円の家庭用3Dプリンターでも、趣味や遊びで使うには十分です。子ども用の遊び道具として使っている人もいます。ハイクオリティの物も多く販売されていることから、5万円程度で手に入れられるのであればぜひ購入したいものです。

なお、以外と盲点なのが「日本語のソフトの有無」です。安い海外製の家庭用3Dプリンターには、日本語に対応していないものもあります。英語、もしくは中国語で書かれている場合、日本語で書かれた説明書は用意されていないか確認する必要があります。

業務用3Dプリンターの選び方

航空業界や自動車業界でその利便性から普及が広まっている3Dプリンターですが、ますます普及していくことが予想されるでしょう。その市場規模は2020年までに3兆円といわれています。ではどのように選んだらよいのでしょうか。

業務用を選ぶ方法としては50万円以下の評判良い機種を買って試してみることがおすすめです。全く3Dプリンターを使ったことが無い場合は、基本的な機能等に慣れる必要があります。そのうちに、3Dプリンターがどういうものか分かったら、ニーズに合わせて、500万円代のものを購入してみましょう。結局、高額な3Dプリンターを購入し、使わないというのはもったいないです。使いたいと思っていた要件と合わなかった、材料代が高く、試行錯誤することに躊躇してしまうなどが起きる前に安めの価格帯で試すことをおすすめします。