そもそも3Dプリンターとは?

ハイテク機器として注目されている3Dプリンター。新しい商品をデザインするクリエイターの人達にとっては、欠かせない存在になりつつあります。しかし、まだまだ登場してから日が浅く、よく理解していない人も少なくありません。そこで、このページでは”そもそも3Dプリンターとは何か。”に注目し、3Dプリンターについて、わかりやすく解説を交えながら、基本的な情報を紹介します。

3Dプリンターとはの画像

引用元:シーフォース公式HP
<http://www.digitalwax.asia/feature/line.html>

3Dプリンターにまつわる基礎知識

3Dプリンターとは用紙にインクを用いて平面的な印刷をする一般的なプリンターとは違い、立体物をあらわすデータをもとに、一層一層、樹脂などの特殊な材料を少しずつ積み重ねていくことで立体造形物を実現していく装置です。まさに立体物を印刷するプリンターであり、プリンターによって性能は異なるものの、基本的には3Dなデータさえあれば自由に造形物を出力することができます。もう少し掘り下げて詳しく説明していきましょう。

3Dプリンターの4つの特徴

1、様々な素材のものを作れる。

3Dプリンターでは、ゴムの素材~強度のある金属素材まで様々なものを作ることができます。幅広い分野の造形物を作ることが可能です。限定された素材だけではないので、夢は膨らみますよね。

2、1台あれば、様々な部品が作れる

3Dプリンターの特徴は、必要なモノを必要な分だけで作れる点です。

この機械が1台あれば、その場で作りたいモノを作ることができます。車を作ると仮定しましょう。車は、様々な部品が必要です。小さい部品もたくさんあります。作る車によっては、部品を取り寄せて作らなければならない、といったこともあります。

そんな時工場で部品を作れたらどうでしょうか。作る時間の手間が省けるのではないでしょうか。

また、3Dのデータを入れ替えるだけで、あらゆる部品が作れるので入荷待ちで作業が出来ない、という心配はありません。必要な分だけ、様々な種類のものが作れるといったものが3Dプリンターの特徴と言えるでしょう。

3、在庫を抱えない

3Dプリンター1台あれば、様々な部品を作ることができます。

これは、言い換えると、在庫を抱えなくてもその場で作れば良いということになります。

航空会社では、何かあった時のために、様々な部品を管理しています。そのため、必要以上の空港内で巨大な倉庫を借りているのです。3Dプリンターがあれば、部品を現地で作れば良いので、在庫を抱えなくてもよくなります。在庫を抱えることで、管理するコストもかかりますが、削減することができます。

4、作業が効率化する

機械を修理に出した時、こんなことを言われたことはないでしょうか。「修理に必要なパーツが、修理工場になくて入荷待ちです。」そのため、予定よりも修理期間が伸びてしまい、イライラしてしまった。という経験。

これは、機械を修理に出した人ならあるあるだと思いますが、3Dプリンターがあればこのような問題がある程度解決されます。入荷待ちで作業が滞ってしまう問題が解消されます。

3Dプリンターの仕組み

3Dプリンターには、造形物を作るにあたり様々な方式があります。1つずつ詳しく紹介していきましょう。

光造形方式

液体樹脂を満たした容器にレーザー照射をします。樹脂部分が硬化することで立体造形が可能となる方式です。古くから採用されているやり方で、3Dプリンターの基礎的な方式と言えるでしょう。

積層方式

先ほど登場した方式です。作りたいと思った造形物のSTLデータを作成します。その作成されたデータをもとにスライスされた層を1枚ずつ重ねていき立体モデルを製作するやり方。3Dプリンターの中でもベーシックなやり方として知られています。

粉末焼結積層方式

粉末にした材料に、高出力のレーザー光を照射。そこから形成される方式です。強度はあるも造形物を作れます。しかし、表面がざらつくという欠点もあります。

インクジェット方式 

インクジェットプリンターの原理を用いて発展させた方式。インクジェットのノズルから微細粒子を噴射して造形するやり方。3Dプリンターの新たな方式として近年登場した方式。

このように、一言で3Dプリンターと言っても様々なやり方が登場しています。どのやり方がおすすめかということは、作りたい造形物によって変わります。3Dプリンターで何を作りたいのかをイメージしてから、どの方式を採用したプリンターを導入するかを検討するのが良いでしょう。

3Dプリンターで何が作れるのか

3Dプリンターは現在さまざまな分野で活用されています。

  • 制作…模型の製作や試作(モックアップ)作り、可動ユニットの動作確認、小ロットの量産品の原型など。
  • 建築…CADデータをもとにした建築物の躯体の構造チェックや建築物見本、ジオラマの製作など。
  • 医療…臓器や骨などの医療用モデル製作や人工骨やインプラント、義手、補聴器等の製作など。
  • 教育…プロダクトデザインや工業デザインの見本製作や講義の解説ツールなど。
  • その他…フィギュアの製作や注型の製作、記念品の作成、発案したアイディアの商品化など。

3Dデータさえあればその通りの形を造形できることができるので、誰でも自分の考えたデザインを手軽に出力して実現化、可視化することができるのです。

3Dプリンタの歴史

では、どのような歴史を歩み今のような発展をしてきたのでしょうか。簡単に3Dプリンターの歴史を紐解いていきましょう。

  • 1980年 名古屋市工業試験所の研究者が光硬化性樹脂を使った光造形法の特許を出願3Dプリンターの元祖となる。
  • 1986年 アメリカで3Dプリンターが誕生。以降アメリカで3Dプリンターの技術研究が進みます。

ここまでの流れを見て、気づいた人もいますが3Dプリンターは、日本が元祖なのです。

しかし、コストがかかる、未知なものから3Dプリンター技術はアメリカに追い越されてしまいました。これだけでは3Dプリンターは一部の業界でしか注目されない機械のままだったでしょう。

ですが2013年大きく事態は急変します。そのきっかけが、バラク・オバマ大統領の一般教書演説です。この時、3Dプリンターの可能性について言及しました。そして、3Dプリンターの積極的な技術開発に取り組むと宣言しました。

ここから、アメリカの3Dプリンターメーカーは、飛躍的に技術開発が進みます。そして、2013年3Dプリンターを展示したキーエンスのブースが注目されます。1万人近い人がカタログを求め、多数のメディアに紹介されました。しかし、これだけではまだまだ話題になるのには到底及びません。

低価格を加速させた要因とは?

注目を浴びた3Dプリンターがではなぜ今話題になっているのかと言うと、それは、積層方式の一つである熱溶解積層方式が特許の期限切れで低価格化したことが理由の一つに挙げられます。今まで数百万のものはとても手が出なかった方でも、低価格化された3Dプリンターなら手に入れやすいという環境になってきました。

それでは、中小企業や個人が手に入れやすくなった3Dプリンターの例を紹介しましょう。

スタートアップ Norge社 SL3Dプリンター

当初は、340万円だったプリンターも、130万円台に中小企業でも手が出せるようになりました。それだけでなく、50万円、20万円と個人のクリエイターでも手が出せなくはない価格まで下がっています。

5万円以下で買える3Dプリンター

  • QIDY TECH社 XONE-2
  • XYZ プリンティング 3Dプリンター ダヴィンチMINI
  • フラッシュフォージ 3Dプリンター

これらは、5万円以内で買うことができる3Dプリンターです。コンパクトなモデルばかりですが、個人で簡単に買えるのが最大の特徴。フィギュアやプラモデルをはじめとした小さいパーツを作るにはもってこいの代物ばかりです。

ここまでで取り上げたのは、ほんの一部です。このように、業務用はもちろん個人で扱う家庭用のパーソナル3Dプリンターなら今なら10万円以下の予算でも購入することができるようになり、ますます3Dプリンターが身近になってきています。しかし、3Dプリンターを誰でも買える時代になった今、気をつけないといけないこともあります。一体どのようなことに気をつけなければいけないのでしょうか。

3Dプリンター購入時に気をつけたい3つのこと

1、使える素材をチェック。

様々な素材から造形物を作れるプリンターですが、どの機械も全ての素材が作れるわけではありません。機械によっては、出来る/出来ないものがあります。どんな素材を使えるかを買う前に必ずチェックしましょう。

2、最大造形物のサイズをチェック

3Dプリンターには、機械によって最大造形物が異なります。同じ大きさの機械でも微妙に異なるので、必ず最大造形物はどのサイズが作れるのかをチェックしておきましょう。

3、置くスペースを十分に確保する

3Dプリンターは、コンパクトなものでもそれなりにスペースが必要です。また、水平の場所に設置しないと、造形物に微妙な誤差が生じる可能性があります。3Dプリンターを取り入れる際は、十分なスペースを必ず確保するように心がけましょう。

まとめ

3Dプリンターの基礎的な分野を中心に、まとめて紹介してきました。これで、3Dプリンターは、一体どんなもので、どんなことができるのか分かったのではないでしょうか。

さらに技術面で以前より進化しているのも魅力です。造形中の様子をスマートフォンで監視することができたり、Wi-Fiでリモート制御できたりするモデルの登場や、射出ヘッドを2つ持つことで2色同時に使用できたりするタイプも出てきました。3Dプリンターは、当たり前の機械に変化していきます。3Dプリンターへの注目度は、これからますます高まっていくことでしょう。

是非今回の知識を役立ててみてはいかがでしょうか。