医療分野

医療分野における3Dプリンターの活用について。導入事例を調べました。

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引用元:iGUAZU(イグアス)公式HP
<http://www.iguazu-3d.jp/case_study/medical/><http://www.iguazu-3d.jp/case_study/moreinfomation/>

医療業界必見の3Dプリンターニュース

本物のように動かせるシリコン製心臓

2023年までに3Dプリンターで人工心臓が作れるかもしれません。しかも、本物の心臓と同じ役割を果たすほどのものです。

チューリッヒ工科大学のNicholas Cohrs氏率いる研究チームは、まるで本物のような柔らかい動きの、シリコン製心臓を開発しました。まだ実用レベルではありませんが、この研究がきっかけで心臓病の治療方法に革命を起こすでしょう。

シリコン製心臓であっても、人間の心臓血管系のシミュレーションテスト環境で心臓の動きを確認できました。血液と同じ粘度の液体を使用した際にも、きちんと機能しました。人工心臓が本物の心臓と同様に動くことを証明しています。

さらにシリコン製心臓は、本物の心臓とほぼ同じ大きさです。今までの人工心臓は本物を上回るサイズであった点を踏まえると、これも大きな進歩といえます。ただ、耐久度が心拍3000回分程度であり、使用可能時間が30~45分、長くても60分であるのが課題として残されています。

耐久度の問題を解決すれば、人工心臓のさらなる発展が望めるでしょう。Cohrs氏も、「今回はあくまで実現可能性の試験で、我々のゴールは人工心臓の開発に新たな方向性を示すことです」と語っています。 再生医学では、心臓を3Dプリントで出力するのが大きなゴールの1つです。いつしか心臓も、3Dプリンターで作れる時代に突入するでしょう。

入れ歯の基礎を3Dプリンターで作成

3Dプリンターにより、義歯床(入れ歯の基礎部分)の製作技術が開発されました。この技術に大きく貢献した企業が、エフティ・ファインテックプロダクトと口新デンタルソリューションの2社です。

共同開発によって生み出された、専用の3Dプリンター「FS-320DP」。FS-320DPならば、義歯床の製作に適したポリメチルメタクリレート(PMMA)の出力にも対応しています。また、医療認可済みのPMMAを実際に3Dプリンター用の素材・フィラメントとして用いています。

6~8時間といった短時間で義歯床を制作できるのも、FS-320DPの特徴です。一般的に総入れ歯タイプの義歯を製作する場合は、完成までに約30日間かかります。3Dプリンターを用いれば数時間で義歯床を出力し、歯の型どりから人工歯の並べ作業、樹脂成形、研磨などを含めても約10日間で完成します。大幅な時間短縮に成功しているため、義歯が早く欲しい患者の要望に応えられる技術なのです。

3Dプリンターによる補綴物と身体拡張

3Dプリンターで「第3の親指」を作成できます。ロンドン在住のデザイナー兼写真家であるDani Clodeさんが「The Third Thumb Project」を発表しました。手のひらに3Dプリンターで作成した第3の親指を装着して、そこで生まれるさまざまな身体拡張の可能性を研究するものです。

具体的な活用方法としては、「工具を片手で扱っても、安全に作業できる」「新たなギターのコードを生み出して、演奏の幅を広げる」「遊びやスポーツを、より快適に楽しむ」などが挙げられます。身体拡張を行ってこそ初めてできる作業が、今後も提案されるでしょう。

第3の親指の操作は、Bluetooth経由で行われます。脚部にはユニットがあり、圧力センサーやバッテリー、Bluetooth接続機能を搭載。脚部で操作したデータを基にして第3の親指を挙動させる、これが一連の流れとなります。

発表者のDani Clodeさんは、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート出身です。ロイヤル・カレッジ・オブ・アートとはロンドンの国立美術大学であり、QS世界大学ランキングの美術系分野で世界一の格付けとなった学校です。彼女は補綴物の構築だけではなく、より自己表現を行えるための研究を行なっています。人間が身体拡張することに対して、理解のある社会づくりを目指しているそうです。

医療分野における3Dプリンターとは

3Dプリンターの性能や可能性は医療分野でも注目されています。3Dプリンターを医療に応用しようという動きは以前から行われており、多くの教授が医療応用について研究を行っています。特に義手や人工の骨、インプラントなどは、金型生産とは異なり1個1個オーダーメイドでの製作が必要ですが、3Dプリンターは必要な分を短期間で精密に作ることができるというメリットがあり、医療分野においての活用が期待されています。現在どのような場面で3Dプリンターが活用されているのか、導入事例を紹介します。

導入事例

医療用モデルの製作

例えば脳や肝臓、骨などの医療用モデルを3Dプリンターで製作することで、研修時や患者と家族に説明する際のモデルとして分かりやすく説明をすることができます。例えばCT画像から3Dプリンターで肝臓モデルを作ることで、手術で切る場所や腫瘍の取り出し方を患者に説明することも可能です。

義手や人工骨の製作

電気通信大学の研究チームでは3Dプリンターで作る筋電義手を開発しています。3Dプリンターなら個人に合わせた形状を24時間で製作することが可能であり、素早く作ることができます。現在は製品化と臨床応用を目指し、さらなる研究を行っているとのこと。また3Dプリンターによる人工骨も実用化に向けて開発中です。3Dプリンター製作の人工骨は、従来の人工骨よりも骨への癒着が早く、自骨への変化も早いといった特徴があります。

オーダーメイド補聴器

デンマークでは補聴器メーカーが3Dプリンターを利用したオーダーメイド補聴器の販売を始めました。液状のシリコンを耳に注入し、耳の形を取ったあとスキャナーで読み取り、3Dデータを作成します。これにより耳にぴったりとフィットする補聴器を作ることができ、既成の補聴器を付けることによる負担も少なくなります。

今後の展望

医療分野での3Dプリンターの良さは、安価かつ容易に個人に合わせたモデルを作れることです。時間やコスト、部品の組み合わせで重くなる義手や骨も、小型かつ軽量に作ることができます。最近では3Dプリンターによる臓器の作成も研究が進んできているため、今後は再生医療の分野においても大きな進歩が期待されています。