自動車業界

自動車メーカーで3Dプリンターがどのように活用されているか紹介します。

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引用元:ストラタシス公式HP
<http://www.stratasys.co.jp/resources/case-studies/automotive/lamborghini>

自動車業界における3Dプリンターとは

ものづくりの世界を変えると言われている3Dプリンターは、現在、様々な業界で活躍しています。なかでも自動車業界において3Dプリンターは転換期を迎えていると言えるでしょう。現在の3Dプリンターの一般的な使われ方は試作品の製造。しかし近年、欧米企業を中心に構成部品や製造機器の製造に用いられています。ここでは、具体的にどのような使い方がされているか、ニュースや導入事例を紹介します。

自動車業界必見の3Dプリンターニュース

デジタルデータからモノを生産する時代到来?

これまで試作品の製作をするために使用されてきた3Dプリンター。それが近年では、工場で使う治具作りや部品作りに活用されるようになってきました。米国の自動車メーカーでは、大型3Dプリンターの導入が活発。欧米でも自動車メーカーによる本格的な導入が始まりました。

もちろん3Dプリンターでは、切削やプレス、射出成形などの従来工法をすべて置き換えることはできません。しかし、3Dプリンターのほうが優れている面があります。また、3Dプリンターは進化し続けている発展途上の製品。そのため、機が熟したとき、競合に差をつけるためには、以前から3Dプリンターを積極的に活用し、効果的に使用する技術やノウハウを貯めておくことが大切と言えるでしょう。

積層造形3Dプリンターで作られた世界初の自動車「Local Motors Strati」

3Dプリンターを使用して作られた製品の大半は比較的小型のものです。そんななか、米国のLocal Motorsが大型の製品を3Dプリンターで生み出しました。それは3Dプリンターで制作された世界初の走行可能な自動車。タイヤなどはラバー製だが、構成部品の75%は3Dプリンターで制作されているそうです。

もし、3Dプリンターで自動車が生産できるようになれば、車の設計変更に合わせて工場の清算ラインを変更する必要がなくなったり、パーツが壊れた際、自宅で修理できるようになったりします。ただ、現状はいままで通りの制作方法が時間もコストも少ないため、3Dプリンターが自動車製造の主流になるのは難しいようです。

米国のLocal Motorsが次に手掛ける車種では、構成部品の90%を3Dプリンターで制作することを目標に掲げているそう。いずれ、自動車製造の主流が3Dプリンターになる時代がくるかもしれないですね。

自動車業界でも実用化が広がる「金属3Dプリンター」

近年、デジタルデータから直接製品を作る工法の導入が進み、3Dプリンターが活躍する領域が広がりを見せています。特に注目を集めているのが、3Dプリンターで金属部品を直接製造するDMP。金属粉末焼結3Dプリンターが登場したことで、従来の切削や成形でできなかった構造を新しく製造できるようになりました。金属粉末焼結3Dプリンターは、従来の金属加工法と違い、複雑な形状の金属製品を作れるため、新たな運用方法が期待されます。とはいえ、金属3Dプリンターは、従来の3Dプリンターと比べて積層コストが割高です。失敗するとコストがかさみやすいので、データから正確に製造できるかを従来の3Dプリンターで試すと良いでしょう。

世界初!3Dプリンター製のスーパーカー「Blade」

サンフランシスコのDivergent Microfactories社が3Dプリンター製のスーパーカー「Blade」を開発しました。Bladeは、3Dメタルプリントされたアルミ素材のジョイントパーツに、既成のカーボンパイプを組み上げた3Dプリントカー。独自の3Dプリンター生産技術「Node」を用いて自動車のシャーシを組み上げています。性能は700馬力で車体軽量が約635㎏、加速性能が0‐100㎞/h加速で2.2秒です。今後の3Dプリンターの自動車への活用が期待できます。

導入事例

3Dプリンターで納期が短縮された事例

3Dプリンターのおかげで、デザインスタジオから工場までアイデアを届けることが簡単になり、他の開発プロセスに多くの時間がかけられるようになりました。また、金型・治具・固定具・最終製品のプロトタイプの製造が可能になったのです。これによって、多くのフローの納期が短くなり、いち早く商品をお客様に届けられるようになりました。

社内開発と社外向けサービスに利用している事例

3Dプリンターを「社内での開発や設計、制作」と「3Dプリンター出力サービス」に使用しています。3Dプリンターは、案件の重要度を考慮して順序を決めて利用。「利用状況」と「コスト」を把握できるように伝票に記入してから出力するようにしています。

新しい自動車の開発では、CADで構築したデザインを模型で確認したい時や発注主とディスカッションする際に使用。設計した部品やモジュールの組み付けを確認したい時も3Dプリンターで出力したほうが早くて確実です。また、加工時や塗装時の対象や工具の位置方向を固定する治具を3Dプリンターで造形しています。

設計不具合による手戻りが激減した事例

人の手や工具の干渉、バランスや質感はデータからはわかりません。設備設計の正確さを高めるには、試作を使用した実物による検証が不可欠です。

3Dプリンターを導入してからは、設備設計の精度が大幅に改善され、設計不具合による手戻りが60%減りました。また、設計のリードタイムが15%削減されたことで業務効率が向上したのです。

ほかにも、お客様の前で試作品を実際に動かしながら説明すると、以前の図面で説明していた頃にはなかった意見やご要望が、その場でもらえるようになりました。