建築業

建築模型や実際の家作りまで可能性を秘めた建築業における3Dプリンターについて紹介します。

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引用元:iGUAZU(イグアス)公式HP
<http://www.iguazu-3d.jp/case_study/architecture/>

建築業における3Dプリンターとは

建築業での3Dプリンターの活用は、現在模型作成が主となります。CADデータを立体造形物にすることで実体化・可視化し、躯体の構造チェックがしやすくなります。今までも3Dでモニターに構造や形状を表示することで、分かりやすくクライアントに説明をしていましたが、3Dプリンターで出力することで、手にとってさまざまな角度から構造や形状を見ることができ、建物への理解をより深めることができるようになります。また最近では建造物自体を3Dプリンターで作るプロジェクトも動き出しています。建築業における具体的な導入事例を紹介します。

3Dプリンターでコミュニケーションが簡単に

3Dプリンターは建設業界の「伝える」難しさを乗り越えるツールとして活用されることが増えています。

例えば、前田建設工業では、3Dプリンターで作成した模型を使って顧客とのコミュニケーションを円滑かつスムーズにすることに成功した記号の1つです。建設業界の顧客へのプレゼンの難しさは、その構造の複雑さにあるといわれています。前田建設工業が建築するビルや建物は、プレゼン時に顧客へ伝えなければならない情報量が一般の住宅建築とは比べ物になりません。そのため、ビルやマンション、空港、工場のチェック項目は、かなり多岐にわたります。

加えて、建物の構造や仕組みのみならず雰囲気など感覚的なこともできるだけ伝える必要があります。そんな時に、3Dプリンターを使った3次元の模型を使うことでより分かりやすく、確実にクライアントへ提案できるようになったといいます。

建設業界注目の3Dプリンターニュース

3Dプリンターで住宅建設

2015年に中国の建設会社であるWinSun社が、3Dプリンターで作られた住宅を公開しました。昨年には、10戸の個人用住宅を24時間で3Dプリントするというか活動を行い、世界中で話題になりました。シンプルな一戸建てや、3階建ての住居で、1000平米以上の豪邸や、5階建てのアパートなど様々な種類があります。

グラスファイバーを用いていたり、リサイクルセメントを原料としていたりするということで強度も確保でき、なおかつ地球にも優しい素材です。壁面のパーツを組み立てて建築することで、建築に掛かる時間やコストを大幅に短縮できています。

たった1日で家が完成?

2017年2月、ロシアの首都モスクワで、初めて「施工日数わずか1日」の3Dプリントでできた家が完成しました。3Dプリンターで部品や模型が作れるのは周知の事実ですが、たった1日(24時間)で、38m2と小さいとはいえ、家まで作れるようになりました。

その家は、ロシアの企業「アピスコア」が、「家を購入できない方々に安い家を提供したい」と開発した建築用3Dプリンターで作られています。38m2の1ルームで、建築費用はわずか115万円と、従来の家に比べたらかなり破格。

素材はコンクリートでできていますが、鉄筋が入っていないため、日本国内では耐震強度の面で、やや不安な面もあります。ですが、地元ロシアでは、一般住宅としてだけではなく、災害時の仮設住宅として利用できるのではないかと期待されているそうです。これだけ簡単に家を作れてしまうのであれば、将来的には月や火星に家を建てることも、夢ではないのかもしれませんね。

導入事例

世界最大級の3D建築単体模型を製作

国内の清水建設株式会社では、3Dプリンターでフルカラー製作した世界最大級の3D建築単体模型を製作し、2016年に展示公開を行いました。石膏3Dプリンターで表現できる限界まで挑んだ精密かつ詳細なモデルは、総重量約100kg。建物一棟をまるまる1/40スケールで、すべて3Dプリンターで製作しています。3Dプリンターの可能性に挑戦し、今後も独自の技術で業界をリードしていく期待がもたれています。

社内に置いて作業を効率化!

清水建設の事例をもう一つご紹介します。清水建設は、3Dプリンターを用いて業務の改善を行っています。石膏系の3Dプリンターを用いることで月の平均造形数は増加し、生産性も向上しています。その分時間ができるので、メンテナンスの時間をとることができるため故障率は低下しました。

本社では3Dデータの作成・補正から3Dモデルの造形、サポート材の除去などの後処理まで全工程を内製化しています。社内には、3Dプリンターでつくられた造形物を見ることができる展示室があり社員のアイディア出しやブレストに使われています。3Dプリンターの利点としては、複雑な形状・デザインや構造を模型で立体視で見ることができること、短期間で作成でき、コストダウンを図れることなどがあります。

3Dプリンターの可能性に挑戦しようと、13年に竣工した「中央区立京橋こども園」の40分の1スケールの建築模型を、武藤工業の協力を得て製作したした際には、フルカラー石こう系3Dプリンターで製作した建築単体模型としては世界最大級です。

その他に、土木構造物にも積極的に3Dプリンターを活用し、「東西線飯田橋・九段下間折返し設備設置飯田橋工区改良土木工事」や「千五沢ダム改築」などの3Dモデルを造形しています。

実際に使用する建築資材の作成

イギリスの大学の研究チームにより、3Dプリンターを使ってコンクリートをプリントし、さまざまな建築資材を作りだす研究が進んでいます。この技術が実現すれば従来の工法では難しかった複雑な形状の資材も出力することが可能なうえ、短時間で製作できるようになります。

一軒家を3Dプリンターで建築

ジェット機のパーツを3Dプリンターで製作しているGEが、巨大な3Dプリンターを使って一軒家を20時間で建てるというプロジェクトを行っています。今まで手作業で行っていることを全てオート化し、レイヤーを重ねてパーツを作成。最新技術と伝統的な建築法を融合させることで十分な強度のある家を目指しているそう。まだ巨大3Dプリンターは開発段階ですが、今後プロジェクトが実現すれば安価な素材を使って短時間で家を作ることができ、災害時の住宅作りや発展途上国の居住問題解決に大いに役立ちます。

今後の展望

建築業での3Dプリンター活用は世界的にも経済・労働力・環境改善につながる大きな可能性を秘めています。現在実用化されているのは模型作成や建築物見本、プレゼンテーションへの活用がほとんどですが、今後建造物自体を建設するのに3Dプリンターを活用するプロジェクトが増えていくことは確実です。海中施設や月面基地などにも3Dプリンター技術を用いることで発展を目指すプロジェクトもあるそうで、ますます可能性が広がります。